2026年3月23日無料公開記事洋上風力発電
洋上風力の産業振興で議論活発
国際風力発電展閉幕
-
パネルディスカッションのようす
東京ビッグサイトで開催されている「WIND EXPO【春】~第17回国際風力発電展~」が19日、閉幕した。最終日もセミナーやパネルディスカッションが多数行われ、各社ブースも賑わいを見せた。「エネルギー革命としての洋上風力発電、産業振興としての洋上風力発電」をテーマとするパネルディスカッションでは、浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)の猪狩元嗣国際連携部長がモデレーターを務め、横浜国立大学・放送大学の來生新名誉教授とFLOWRAの寺﨑正勝理事長、浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)の野口哲史理事長、グローバル・ウインド・エナジー・カウンシルの倉科昭彦シニアアドバイザーが登壇。洋上風力発電の産業振興に向けた課題と展望を議論した。
洋上風力発電事業の開発期間について、野口理事長は「建設工事は作業船の拘束時間で約9割が決まり、長引けば費用が増大する。今政府の検討では2~3年といわれているが、2年を目指して初めて競争力ある港湾ができると考える」と語った。また、寺﨑理事長も「早期完成が用船コスト削減に繋がる。港湾や船舶のスペックに応じて1日の稼働率を見極める必要があるが、可能であれば穏やかな時期を選び冬季も工事してほしい」と述べた。これに対し野口理事長は無理はできないとしつつ、「例えば浮体式基礎を冬までに大量製造し、春先に一気に係留すれば通年で稼働する産業になる」と応じた。
会場内では3日間、海運、造船、舶用機器メーカーなど海事産業も含め、関係する企業らが洋上風力発電分野などの最新サービス・技術を紹介した。
東京汽船(本社=横浜市)は今回、CTV(洋上風力発電交通船)オペレーターである台湾の裕民マリン・オフショア(UMO)、韓国のDRS-KWPと共同でブースを出展した。展示スペースは例年の約2倍に拡大。CTV(洋上風力発電交通船)の模型やVR(仮想現実)型CTV操船シミュレーター、各社の紹介パネルなどを展示した。
UMOはCTV6隻を保有・運航しており、このうち最新鋭の三胴船型SWATHのCTV2隻はベスタス向けに長期で貸船している。韓国のDRS-KWPは曳船事業で培った知見を活かし、CTV事業の展開を進めている。現在、双胴船型CTV1隻を保有・運航する。
東京汽船はUMO、DRS-KWPのそれぞれと、CTV事業での協力に向けた覚書を締結しており、日本、韓国、台湾市場でのCTVの効率的な活用を模索している。CTVは投入先により用船期間が左右され、建設プロジェクトの場合は1~2年程度と短く、その後の船舶活用が課題となる。各社はそれぞれ自国でCTVを運航しつつ、プロジェクトの合間や船舶不足時にCTVを融通し合う協力体制の構築を目指す。その一環として、東京汽船はCTV1隻を裕民オフショアに売船した。
また、東京汽船はCTV船隊について、「JCAT」の名を冠した大型船舶型と「PORTCAT」の名を持つ小型船舶型に加え、さらにUMOが扱う三胴船SWATHをラインアップに加えることで、提供メニューの拡充を図っている。
東京汽船らのブース