2026年3月11日無料公開記事洋上風力発電

欧州洋上風力向けSOV事業に初参入
商船三井、2隻を共同保有

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SOVのイメージ

 商船三井は、2027年に竣工予定のサービス・オペレーション・ベッセル(SOV)2隻をキプロスを拠点とする海運会社ショラー・ホールディングスと共同保有するとともに、本船を運航するドイチェ・オフショア・シフファールトに出資する。9日に発表した。欧州の洋上風力向けSOV事業に初参入するもので、台湾に続く展開となる。

 共同保有するSOV2隻は中国の中船黄埔文冲船舶が建造する。全長96.25m、全幅20m、最大乗船人員120人。DPS(自動船位保持装置)、モーション・コンペンセイション機能を持つ特殊なギャングウェイ・クレーンを装備する。また、大型の50トンクレーンや広いデッキスペースなど独自性のある仕様を備えており、洋上風力発電所の建設・試運転時、石油・ガス分野の建設・撤去時などで必要となる洋上作業のサービス提供が可能だ。
 欧州では洋上風力を中長期的なエネルギー政策の重要な柱として位置付け、強力な政策的支援も背景に大規模な洋上風力プロジェクトの拡大が続く。世界最大の洋上風力市場であり、プロジェクトの建設や運転保守(O&M)を支えるSOVについても将来的な需要拡大が見込まれる。
 商船三井グループは2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目指すとともに、非海運事業の比重を高め、海運不況時でも黒字を確保できる事業ポートフォリオ変革を推進している。商船三井は今回のプロジェクトについて、この方針のもとで洋上風力関連事業をアジアから欧州へ拡大していく重要なマイルストーンとして位置づける。
 商船三井はSOV事業でアジアの洋上風力先進地域である台湾で実績を積み上げてきた。台湾船主の大統海運との合弁会社である大三商航運(TSSM社)を通じて事業を展開しており、2022年に竣工した1隻目の“TSS PIONEER”をオーステッドの大彰化洋上風力発電所のメンテナンス支援に長期投入しているほか、さらに2隻を発注した。今回、ショラー・ホールディングスとの共同保有と、ドイチェ・オフショア・シフファールトへの出資により、洋上風力産業の中心地である欧州に展開を拡げる。

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