2026年4月13日無料公開記事70周年ビールができるまで
SEAJAPAN2026
海事プレス70周年ビールができるまで
第四回 ビールはアート&サイエンス
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ビール醸造の現場では、サービス担当の宇都宮ティムさんの動きにとにかく目を引かれた。無駄のない手つきで次々と工程を進めていく様子は、見ていて気持ちがよかった。ビールづくりに対する姿勢からは、強いこだわりがうかがえた。
工程ごとにティムさんが細かく説明してくれる
ティムさんによれば、ビールづくりは「半分がアート、半分がサイエンス」。実際に、水のpH値を測定しながら調整するなど、数値管理を徹底して工程を進めており、まさにサイエンスだと感じた。一方で、原料の組み合わせや香りのバランスを見極めていく感覚的な部分は、確かにアートの側面もあるのだろう。
数値管理を徹底して工程を進めていく
また、小林紀寛さんによれば、ビールづくりは「1に洗浄、2に洗浄、3、4がなくて5に消毒」と言うほど、清潔さが何より重要だという。細かな管理の積み重ねが、最終的な味を左右する。
タンク洗浄中のティムさん
なお、ティムさんが来日したきっかけなど、いろいろ気になり、作業の合間に根掘り葉掘りと「取材」してしまった。米ニューヨーク出身のティムさん。日本への留学、そして母国での教員経験を経て、小田原の地でビールづくりに励むに至った話はとても興味深く、物語を感じた。しつこく質問してしまった記者に対し、快く答えてくださったことに、この場を借りて感謝を申し上げたい。
ティムさん、ありがとうございました!
さて、仕込みの工程は、想像していた以上に手間と時間がかかる。温度管理や時間の調整など、細かな積み重ねが最終的な味に直結する。何気なく飲んでいたビールの見方が、少し変わった気がした。
朝から始まった作業を取材するうち、あっという間に時間が過ぎてしまい、ふと時計を見てびっくり。時間は午後4時近くになっていた。想定以上に時間が経過していたが、あまりにも夢中になっていたせいか、不思議と疲れはそれほど感じなかった。
ホップも入れ終わり、作業はこの後も続くというが、記者は一足先に醸造所を後にした。ここから発酵などの工程を経て、ビールは完成へと近づいていく。
次は仕上げの工程だ。缶詰を経て、70周年ビールはどのような仕上がりになるのか。プロジェクトはいよいよ終盤へと向かう。(岡部ソフィ満有子。毎週月曜更新)