2024年2月28日無料公開記事内航NEXT

労働時間記録の電子化進む
国交省海事局、船員の働き方改革調査を実施

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 国土交通省海事局は2022年4月にスタートした「船員の働き方改革」についてアンケートを23年10月に実施し、船員法適用事業者474者から回答を受け付けた。27日に開いた同省の諮問機関である交通政策審議会の船員部会で集計結果を報告。労働時間の記録の電子化が進んでいることが分かったほか、船舶所有者がオペレーターに対して運航計画について意見を述べられるようになったといった効果が確認された。
 アンケートは内航貨物船335者、内航旅客船127者、外航船21者から回答を得た。船内における労働時間の記録方法については、内航貨物船は6割ほどが労務管理システムやExcelマクロといった電子的な方法を採用。18〜19年にかけて労働時間の記録機器の導入状況を調査した際には、導入企業は1%だったため、大きく伸びている。内航旅客船は日帰り通勤できる場合もあり、電子的方法で記録しているとの回答は4割にとどまった。外航船は9割が電子的に記録している。
 また、内航貨物船にのみ、労務管理責任者制度やオペレーターへの意見陳述の状況を尋ねた。労務管理責任者による船舶所有者への意見の実施状況については、意見を述べた(受けた)ことがあるという回答が48%と半数近くを占めた。船舶所有者からオペレーターへの意見状況では、66%が何らかの形で意見を述べたことがあるとした。運航計画の変更を必要とする状況にならなかった事業者が21%いたものの、計画変更を必要としていたが意見を述べたことがない事業者が8%、意見を述べたことがない事業者も5%いた。
 回答者から寄せられた主な意見としては、「オペレーターへ意見を述べる体制ができた」「オペレーターがスケジュールを考慮してくれるようになった」といった意見があった一方、「船員の増員や給与増額で働き方改革に対応しているがそのコストが回収できていない」「労務管理業務が増えた」といったマイナスの声も上がった。

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