2024年4月16日無料公開記事内航NEXT

内航タンカーとタグの見学会
東幸海運/向島ドック

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向島ドックの久野社長(左)と東幸海運の笹木社長

 東幸海運(神戸市)と向島ドック(広島県尾道市)は共催で14日、一般向けに内航タンカーとタグボートの見学会を開催した。東幸海運の内航タンカー“しなつ”(3575総トン)、向島ドックの円形タグボート“梅丸”(19総トン)を見学した。
 内航タンカー船社の東幸海運は、動画投稿サイトYouTubeで多くの動画を紹介しており、チャンネル登録者数は約3万6400人、X(旧ツイッター)のフォロワーは約1万6200人。海事業界以外の一般の人からも人気になっている。「SNSでも以前から『実際に船を見てみたい』という声があり、企画できないかと考えていた」(東幸海運の笹木重雄社長)という。同社にとって見学会は初めて。
 また、向島ドックは中小修繕ヤードで、内航船も保有している。同社では地元の小学校から大学まで見学会の要請があり、受け入れて実施してきた。「尾道には海運と造船、舶用工業がある。海事産業をもっと広く知ってほしい」(向島ドックの久野智寛社長)との思いもあり、両社のねらいが一致。“しなつ”が定期検査を受けるタイミングに合わせ見学会を行うことになった。
 見学会の参加費を無料にすると、当選しても当日欠席の可能性などあることを考慮して、見学チケットとオリジナルTシャツと合わせた料金を2980円に設定。Xで募集したところ、定員30人の枠は30分で完売した。見学会は一般30人のほか、関係者など招待を受けた30人の計60人が参加した。
 ドック内の“しなつ”で見学者は操舵室、機関室、船員の部屋などを見学。定期検査中のため機関室では開放中のエンジンや、プロペラが外された船体を興味深そうに見ていた。“梅丸”は日本船舶海洋工学会主催のシップ・オブ・ザ・イヤー2016で漁船・作業船部門賞を受賞したタグボート。タグは港内で細かい作業を行うために高度な操船技術を必要とするが、円形にすることでタグをどの向きにしてもいいように姿勢制御を容易にしたことが特長。参加者は納得したようすで説明を聞いていた。姉妹船“桜丸”も見学。向島ドックの食堂では、船内で出されているカレーの試食会も行った。
 見学会について笹木社長は「開催してよかったと思っている」とし、久野社長も「今後もイベントをやっていきたい」とそれぞれ手応えを語った。

取りはずされたプロペラを興味深く見る参加者

“梅丸”に乗って見学する参加者

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