2023年4月27日無料公開記事内航NEXT

脱炭素などフェリーの課題語る
川崎近海・久下社長、八戸/苫小牧で会見

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久下社長

 川崎近海汽船の久下豊社長は八戸/苫小牧フェリー航路開設50周年記念式典後の記者会見で、カーボンニュートラルや船員不足対策などのフェリー事業の課題を語った。また、トラック運送業のいわゆる「2024年問題」によってシャーシの無人航送が増えるとの見方を示した。
 カーボンニュートラルについては、「いろいろと検討していることは事実。水素やLNG、アンモニアなどさまざまな新燃料について研究しているところだ。一足飛びにカーボンがゼロになるということはない。フェリーだけにとどまらず、会社全体として新燃料に関する取り組みを進めており、実現性の高いところから進める。カーボンニュートラルの一つの区切りとなる2030年に向けて取り組んでいきたい」と語った。
 内航船員不足への対策として自動運航や自動着桟の研究に着手していると話し、「安全運航にもつながる」との期待を示した。
 トラック運送業の2024年問題のフェリーへの影響については、「北海道と本州を結ぶ陸路は鉄道しかなく、貨物の大部分は船で輸送しており、モーダルシフトがすでに一歩進んでいるという見方だ。フェリーでは有人トラックだけでなくシャーシの無人航送も行っており、当社フェリーでは貨物の25%を占める。今後その比率が増えていくと思うし、シャーシの種類も冷凍など貨物に合わせて増えるのではないか。もちろん、大中小さまざまな大きさのトラックを取り込めたらと思う」との見方を示した。また、「ドライバーの方々の船内の快適性向上では、ドライバーズルームの個室化などを進めてきた。オートレストランのメニューなどもより喜んでいただけるものを検討していく」と述べた。

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