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2026年4月23日無料公開記事SEAJAPAN2026

【Sea Japan 2026】
米国造船再建へ、日米協力重視
グラス駐日米大使が基調講演

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グラス駐日米国大使による講演のようす

 東京ビッグサイトで開催されている国際海事展「Sea Japan 2026」では、国際海事セミナーとしてジョージ・グラス駐日米国大使による基調講演と、エルウッドグループのダナ・バイエラーシニアバイスプレジデントによる講演が行われた。グラス大使は日米造船協力について触れ、「私たちのメッセージは非常に明確だ。米国は今後数年から数十年にわたり船舶の発注と建造を計画しており、この取り組みにおいて日本を重要なパートナーと考えている」と述べた。
 グラス大使は講演で米国造船業の歴史を振り返りつつ、現在、同国の製造能力は世界の大型船建造の1%未満にとどまるなど深刻な状況にあると指摘した。また、中国の造船能力が米国の200倍以上に達している現状に触れ、国家安全保障上の課題であると強調した。米国造船業再建に向けては、2027会計年度に658億ドルの造船予算を要求しているほか、造船所の近代化や人材育成、サプライチェーン強化を柱とする政策を推進する考えを示した。日本との協力を通じた産業基盤の再構築を進める方針で、日本企業にとっては投資や技術協力の機会が広がるとの認識も示した。
 バイエラーシニアバイスプレジデントは「信頼は行動を通して育まれる:日米産業協力への規律ある道筋」と題し、米国と日本の造船協力のための規律ある枠組みを概説した。枠組みは、初心を忘れず、クラフトマンシップの規律に基づき、測定可能な行動を通じて信頼関係を構築することを目的とするもの。講演では製造業における制約理論について紹介し、「生産性はアウトプットを制約する工程によって決まる」と語り、ボトルネックの特定と改善が生産性向上のカギになると指摘した。また、米国市場では購買判断は価格だけで決まるものではなくリスク評価に基づくとした。さらに、市場理解、関係構築、プログラム・アライメントの三段階を踏むことが、実効的な協力につながると述べた。

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