2017年9月29日
彼岸花が咲いて散った。10月初旬まで見頃という所もある。曼珠沙華とも呼ばれる花で、決まった場所でほぼ同時期にすっくと立って開花する。律儀だと思う。自然界の生き物とはそうしたもので…続き
2017年9月22日
1980年代初頭、大阪商船三井船舶の経営企画部副部長、生田正治氏は社内行革の切り込み隊長として尋常一様でない働きを見せた。 とりわけ見事だったのは定航本部との意見調整。「本部制…続き
2017年9月15日
日本船主協会長、永井典彦氏(大阪商船三井船舶社長)の政策秘書に抜擢された生田正治氏は1年が経過したところで経営企画部副部長兼務となった。企画と予算の両チームを所管し、会社全体に目…続き
2017年9月8日
説明が前後して申し訳ないが、話を1970年代の生田正治氏に戻したい。ロンドン支店で第3次中東戦争にぶつかり、基軸通貨だったポンドの切り下げも目の当たりにした生田さんは70年(昭和…続き
2017年9月1日
「アライアンス」なる構想の存在を記者が初めて知ったのは1994年(平成6年)の連休明け5月10日、記者発表の席上。大阪商船三井船舶、米国APL、欧州(オランダ)ネドロイド、香港O…続き
2017年8月25日
大阪商船三井船舶の生田正治氏は見えない世界に踏み込み、縷々、事績を重ねた海運人である。 まず、見えない世界とはなんぞやの問いに答える必要があろう。格好の手引書として岩波新書『文…続き
2017年8月10日
昔、マンハッタンでロンドンとニューヨークの違いが話題となり「譬えるならロンドンは辛味が利いたマスタード、ニューヨークは甘味が強いケチャップ」と語った海運人がいる。この指摘には“あ…続き
2017年8月4日
仏教界に「血脈相承」なる言葉がある。法の教えが師から弟子に相続されることをいう。 海運界にも固有の理念や理想を継承しようとする滔々たる流れがある。“三井ファイト”がその好例。同…続き
2017年7月28日
みなさんは世界主要航路の運賃がポンド建てだった時代をご存じだろうか。ドル建て運賃への変更が始まったのは、およそ半世紀前。それ以前はポンド建てだった。世界経済と海運業のパラダイムは…続き
2017年7月14日
1993年(平成5年)秋、大阪商船三井船舶社長の転法輪奏氏は次期社長問題についてこう発言した。 「相対立する問題、事柄を解消して高次元の対応を実現し得る人材が1人存在する。彼な…続き
2017年7月7日
「あゝおまへはなにをして来たのだと…吹き来る風が私に云う」は中原中也作『帰郷』の一節だが、転法輪奏氏の心境はこれだった。 氏は、コンテナ化の初期段階から航路開設とサービス網の拡…続き
2017年6月30日
1990年代初頭の転法輪奏氏は怒れる経営者だった。 欧州同盟解体論を主張したし、航路安定化協定の効力拡大も唱えた。氏は弊社物流情報誌のインタビューに応じ、こう語った(大意)。 …続き
2017年6月23日
親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしていたのは漱石の『坊ちゃん』だが、海運界にも無鉄砲で鳴らした人物があまたいた。 ある席で「例えば」という話になり、日本郵船元副社長の高橋宏…続き
2017年6月16日
邦船の定航業は、1960年代に始まったコンテナ化が70年代で本格化し一大変革期の賑わいを見せた。欧州同盟(FEFC)の中でトリオ・グループが誕生したのもこの70年代の初頭。在来船…続き
2017年6月8日
1980年代後半の邦船北米定航は船隊整備に続いて自営港頭ターミナルの立ち上げ、ダブルスタックトレインの設営、トラック業への進出、内陸物流拠点の整備、米国現地法人の設立、新情報シス…続き
2017年6月2日
1990年代初頭の国際定航界にあって喫緊の課題は適正運賃の収受であった。 1984年(昭和59年)以降、定航運賃は崩れに崩れた。数年を経ていったんは下げ止まり、持ち直すかに見え…続き
2017年5月26日
「海運同盟は極東/北米航路で崩壊し、次に欧州/北米航路が崩れ、今は極東/欧州航路が危なくなっている。いわば世界3大銀座通りに相当する定期航路の同盟が全部潰れるか潰れかけるという危…続き
2017年5月19日
前回、唐突に正岡子規を登場させ、「無念の一念大魔王」なる彼の言葉を注釈もなしに引用する乱暴をやってしまった。違和感を覚えた方が多かったろうと思う。どうかご容赦を。 実を言うと記…続き
2017年5月12日
1967年(昭和42年)、黒船研修生としてニューヨークに赴いた大阪商船三井船舶の転法輪奏氏はコンテナ船の経済合理性を認識させられ、反コンテナの旗幟を降ろすに至った。同時に新時代の…続き
2017年4月28日
日本/加州航路での競合を想定し在来定期船とコンテナ船の輸送コストを試算、比較した転法輪奏氏は、不承不承ながらコンテナ船の絶対優位を認識させられた。コンテナ船に関してはイスブランセ…続き