1. コラム

2017年7月7日

(254)次期社長に託す

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 「あゝおまへはなにをして来たのだと…吹き来る風が私に云う」は中原中也作『帰郷』の一節だが、転法輪奏氏の心境はこれだった。  氏は、コンテナ化の初期段階から航路開設とサービス網の拡大にまい進、没入し殖産の功を遺した人物だが、社長就任後、来し方を振り返ると苦味や悔いばかりが先に立った。まさに心穏やかならずの日々であったといえる。国際定航界を俯瞰すると欧米の名門船社が採算の悪化に苦しみ始め「い...