2024年12月11日無料公開記事洋上風力発電

洋上風力事業統合、新会社設立へ
JERAとBP、30年末までに58億ドル投資

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左からJERAの可児行夫会長、BPのマレー・オーキンクロスCEO

 JERAと英石油大手BPは洋上風力事業を統合する。JERAは9日、英石油大手BPとの間で洋上風力事業合弁会社「JERA Nex BP」の設立に基本合意したと発表した。両社が運転・開発中の洋上風力案件は合計で持分容量13GW規模で、新会社は世界4位の洋上風力事業者となる見通しだ。資材価格の高騰や案件の大規模化などで世界的に洋上風力の事業環境が厳しくなる中で、スケールメリットを活かした事業展開を行っていく考え。また、両社は2030年末までに開発資金として最大58億ドルを新会社に出資することで合意した。新会社の設立は関係当局からの承認など必要な許認可取得などの手続きを経て、2025年9月末をめどに完了する予定。
 JERAの再生可能エネルギー事業子会社JERA NexとBPの洋上風力発電事業を統合し、両社の折半出資により新会社JERA Nex BPを設立する。新会社のCEOはJERA、CFOはBPが任命することで合意している。また、JERAとJERA Nex、BPの洋上風力発電事業の従業員は新会社に異動する予定。
 両社は、運転中・開発中の洋上風力発電案件などの統合による成長に向けた戦略的なプラットフォームの構築、これまでのパートナーシップを基本として補完的な専門知識を組み合わせることで、まずは日本、北西欧州、オーストラリアの開発先行案件を推進すること、競争力のある資金調達手段、ポートフォリオの最適化、両社からの明確な資本投資計画など、規律ある資本効率的な成長を支えるための資金調達の枠組みについて合意した。資金調達の枠組みについては、2020年代後半における規律ある成長と事業推進に向けたものとしており、洋上風力事業資産からの収益の活用や、競争力のある資金調達、ポートフォリオからの収益が含まれる。
 新会社はサプライチェーンなどにおいて両社がこれまで世界中で築いてきた関係やパートナーシップやグローバルなトレーディング能力などを最大限活用することで、さまざまなオフテイカーに電力を提供していく方針だ。
 JERAの可児行夫会長は新会社設立について、「洋上風力発電事業には大きな成長ポテンシャルがあり、今後エネルギートランジションにおいて重要な役割を担う。なお、同事業は現在転換期を迎えており、本日発表した革新的なパートナーシップは、両社の経営資源、能力、ネットワークを組み合わせた世界トップクラスの洋上風力発電事業社を誕生させ、洋上風力発電事業の長期的な成功に導いてくれるものであると確信している。今回の発表は、日本、欧州、その他の国々における洋上事業に対する当社のコミットメントの表れであり、パートナーシップを重視する当社の再生可能エネルギー事業戦略にとっては、自然な発展だ」とコメントした。

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