2024年5月30日無料公開記事洋上風力発電

洋上風力支援船社に出資参画
住友商事、CSOV6隻保有のIWSフリート

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 住友商事は28日、洋上風力支援船を保有・運航するノルウェーのIWSフリートに出資参画すると発表した。27日にIWSフリートと合意した。出資完了は6月を予定しており、IWSフリートは持分法適用会社となる。IWSフリートはCSOV(コミッショニング・サービス・オペレーション・ベッセル)船隊規模で世界2位となる6隻(うち4隻建造中)を保有し、運航管理を行っている。船隊は同船型でそろえることで船舶管理の合理化を図り、事業者にフレキシブルなサービスを提案する。
 住友商事はIWSフリートによる第三者割当増資を引き受ける。出資額は6000万ユーロで、出資が完了すると住友商事はIWSフリートの株式25.38%を保有することになる。
 CSOVはオフショア支援船の一種で、洋上風力発電所の建設段階で、洋上風車上での作業に従事する技術者に対し、宿泊施設や安全に洋上風車へ移動する手段を提供するもの。欧州を中心に需要が増加しており、2027年には世界で約60隻、30年には100隻以上が必要になると予測されている。
 IWSフリートの親会社インテグレイティド・ウィンド・ソリューションズ(IWS)は2020年創業のオスロ証券取引所上場企業で、洋上風力関連サービスやオフショア支援船を保有する。CSOVを保有するIWSフリートをはじめ、コンサルティングやエンジニアリング、アドバイザリーやアセットマネジメントなど、洋上風力に関連するさまざまな企業を傘下に収めている。
 住友商事は世界各地の風力発電事業者などの産業プレーヤーとのネットワークや、船舶事業を通じて得たビジネス知見でIWSフリートの事業拡大に貢献する。また、IWSとのパートナーシップを通じて洋上風力発電の普及をサプライチェーン面から推進する。欧州で先行する再生可能エネルギー関連事業のノウハウを獲得・蓄積し、日本国内の洋上風力市場へ還元することも目指す。
 住友商事のオフショア支援船事業は、風車部材の輸送を行う重量物運搬船4隻(うち2隻建造中)の保有会社設立に続き、今回で2件目の出資となる。今月発表した中期経営計画では洋上風力発電分野でのサプライチェーン事業開発は同社事業の強み・競争優位をさらに強化するGX事業に位置付けられ、今後も建設支援船や重量物運搬船などの保有・参画を重点的に進める。

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