2024年10月17日無料公開記事洋上風力発電

東大と新たな着床式基礎を考案
Jパワー、免振・低コスト化へ

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フレキシブル・トリパイルのイメージ図

 電源開発(Jパワー)は15日、東京大学と共同で日本の地形に適した新たな着床式基礎「フレキシブル・トリパイル」を考案し、特許を取得したと発表した。同技術は基礎の底版部に角鋼管や鋼板を用いることで比較的変形しやすく柔らかい構造となっている。これにより地盤からの免震効果を得られるため、岩盤が浅く分布する地点における施工性が良く、地震による振動を低減することができる。また、従来技術と比べ、部材を簡素化できるため建設コストを抑えることが可能。
 着床式洋上風力では欧州で実績のあるモノパイル基礎が主流だが、国内で多く見られるような比較的硬質な岩盤が浅く分布する海域では、効率よく岩盤を削孔することが困難なことからモノパイル基礎の適用ができず、ジャケット式などの従来技術を採用する必要があり、その建設コストに課題があった。
 今回開発した技術は3本の杭と鋼管主管の組杭構造について、杭と鋼管主管の接続には、考案した角鋼管と鋼板構造及びワイヤロープを用いる。基礎中心の鋼管主管はタワーと接続する構造になっており、一体化した鋼管部が長いことで風車全体がゆっくりと揺れるため、地震発生時の共振を軽減することができる。また、考案した免震効果により地震による振動を低減できます。Jパワーの試算では大幅なコストダウンが見込まれることに加え、同技術は今後の大型化した風車に対しても適用しやすいと想定している。
 Jパワーは今後、実海域での「フレキシブル・トリパイル」の実用化に向け、鋭意研究を進めていくとしている。

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