次代への戦訓

    2020年3月4日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏⑩、業界への浸透、変化対応でファンド事業が進化

     こうして船舶投資ファンド事業がスタートしていくわけである。中国ブームで海上物流が伸びていく中、船台の取り合いになるほど船舶の需要は旺盛であった。しかしながらいくら需要が見込めると続き

    2020年3月3日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏⑨、アンカー社誕生

     当時、国内には本格的な船舶投資ファンドは存在しなかった。しっかりした船主が大勢いるし、またリース会社もあったので、それで船舶のオーナーはまだ足りていたのだろう。しかし、だんだんと続き

    2020年3月2日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏⑧、船舶投資ファンド構想が浮上

     2006年3月に52歳でみずほコーポレート銀行の監査役を退任することになる。銀行員の場合、銀行の都合で子会社や取引先などの次の働き先が決まる。私は自分の意志で決めたいという気持ち続き

    2020年2月28日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏⑦、オフバラでの船舶調達を支援

     営業第七部で2年間次長を務めたので、次長ポストはそろそろ卒業ということになった。支店長や部長になる年齢ではないので、2000年6月に審査部に副部長として配属された。それは順当な異続き

    2020年2月27日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏⑥、商船三井/ナビックスが合併

     昭和海運の問題が片付いた後、今度はナビックスラインの話が出てきた。興銀出身で、当時のナビックスの社長だった堀さんが興銀の経営陣を訪ねてこられて、「大阪商船三井船舶の生田社長から合続き

    2020年2月26日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏⑤、再び海運、昭和海運問題手掛ける

     海運を離れてドイツに行けと言われた時には本当にうれしかった。海運の6年半は本当に消耗していた。  1988年にドイツの現地法人に赴任して、海運とは全く関係なく、欧州の国や企業、日続き

    2020年2月25日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏④、ナビックスライン誕生

     ジャパンラインへの債権放棄が終わるか終わらないかという時に、山下新日本汽船のメインバンクだった三和銀行からジャパンラインと合併させたいという打診があった。山新も単独で存続するには続き

    2020年2月21日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏③、ジャパンライン問題で奮闘

     1981年に帰国して6年半にわたって船舶融資の仕事をした。前半は日本郵船、川崎汽船、山下新日本汽船を担当するチームだったので、計画造船や自己資金船といった一般的な船舶金融に取り組続き

    2020年2月20日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏②、海運業は“経済安全保障”

     海運は大量の荷物を長距離輸送できる。鉄鉱石や石炭といったバルクもの、石油やガスといったリキッドものを低コストで大量に輸送できるのは海運しかない。海運は唯一無二の産業で優位性がある続き

    2020年2月19日

    《連載》次代への戦訓/アンカー・シップ社 辻肇氏①、戦後日本の海運金融史を語る

     連載企画『次代への戦訓』の第6回は、日本興業銀行、みずほ銀行で船舶融資を担い、日本最大の船舶投資ファンドを立ち上げたアンカー・シップ・パートナーズの辻肇会長。戦後ニッポンの海運金続き

    2020年2月18日

    《連載》次代への戦訓/第一中央汽船・薬師寺正和氏⑥、「いつかお返しします」

     法的整理で一応の区切りがつき、責任を取って身を引く予定であったが、管財担当の先生方からの会社再建の目途をつけるまでは続けろとのご指導に従い、検討を開始した。  選択肢はいくつかあ続き

    2020年2月17日

    《連載》次代への戦訓/第一中央汽船・薬師寺正和氏⑤、万策尽きる

     2015年に入り、船主の皆さんに用船料の20%減額を要請した。その頃には為替が円安基調になるなど船主の経営環境は多少良くなっていたが、船主経営への影響も考慮して2割カットをお願い続き

    2020年2月14日

    《連載》次代への戦訓/第一中央汽船・薬師寺正和氏④、450億円の支援で時間的猶予

     当時の第一中央汽船にはもうほとんどお金がなく、社長就任まで会社がもつのかと考えたほどだった。ところが、社外の方々はそれほど深刻な経営状態だとは思っていなかったので、協力をお願いし続き

    2020年2月13日

    《連載》次代への戦訓/第一中央汽船・薬師寺正和氏③、第一中央汽船社長就任

     2010年6月に商船三井の副会長に就任した。副会長の2年目に入り、その年で任期が終わると思っていたので、老後をどのように過ごすか楽しい計画を考えた。色々な選択肢の中からみかん畑を続き

    2020年2月12日

    《連載》次代への戦訓/第一中央汽船・薬師寺正和氏②、ONE以外に道無し

     コンテナ船事業をずっとやってきて、なぜこれほどまでに儲からないのか、と常に頭を悩ませてきた。結局コンテナリゼーションが起きて以来、この産業では何もイノベーションが起きておらず、た続き

    2020年2月10日

    《連載》次代への戦訓/第一中央汽船・薬師寺正和氏①、コンテナ船、自由競争へ

     連載企画「次代への戦訓」の第5回は第一中央汽船の薬師寺正和相談役。商船三井で長年コンテナ船事業に携わり、副社長・副会長を務めた後、第一中央汽船で社長として経営再建に取り組んだ。コ続き

    2020年1月30日

    《連載》次代への戦訓/ジャパンマリンユナイテッド・三島愼次郎氏⑤、造船業の若者たちへ

     振り返ってみると、もともとNKKを就職先に選んだ時点では造船業で働くことは全く頭になかったが、VLCC連続建造中の津に配属され、スケールの大きな造船の世界に魅了され、夢中になって続き

    2020年1月29日

    《連載》次代への戦訓/ジャパンマリンユナイテッド・三島愼次郎氏④、調達先との関係は造船業の本質

     渋沢栄一の「真正の利殖は、仁義道徳に基づかなければ、決して永続できるものではない」という言葉がある。「自分だけ良ければよい」という考えは、海事クラスターの中では継続しない。海運会続き

    2020年1月28日

    《連載》次代への戦訓/ジャパンマリンユナイテッド・三島愼次郎氏③、統合目的は技術標準とシステム化

     日立造船とNKKの造船統合は、どちらかといえば国内で生き残るための統合という目的が強かった。だが国際競争を考えれば、次の統合に進まなければいけないという認識は、当初から皆で共有し続き

    2020年1月27日

    《連載》次代への戦訓/ジャパンマリンユナイテッド・三島愼次郎氏②、造船経営には意志と数字

     ユニバーサル造船が発足した2002年は非常に厳しい環境でのスタートだった。だが新会社はスムーズに立ち上がり、統合効果もすぐに表れた。統合効果の目標にしていた50億円は初年度で達成続き