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2026年3月31日無料公開記事

帝国電機、4月に「TEIKOKU」へ
村田社長「無漏洩ポンプ、新燃料船普及は追い風」

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 産業用ポンプを手掛ける帝国電機製作所(本社=兵庫県たつの市)は、無漏洩構造のポンプ技術を生かし、船舶分野での事業拡大を狙っている。アンモニアやメタノールなど新燃料を使用する船舶の普及に伴い、安全性が求められる燃料取り扱い分野での需要拡大を見込む。4月1日には社名を「TEIKOKU」に変更し、新たなスタートを切る。村田潔社長が本紙の書面インタビューで、社名変更の狙いや今後の事業戦略について語った。
 ― 社名変更の狙いについて。
 「当社は創業以来、着実に事業を拡大し成長を続けてきた。だが現在、事業環境は大きな転換期を迎えており、従来の延長線上では持続的な成長を確保することが難しくなっている。とりわけ、安定志向が強く現状維持に陥りがちな企業風土を変革し、外部環境の変化に迅速かつ主体的に対応する組織へと進化することが急務となっている。こうした課題を克服し、新たな挑戦に果敢に取り組む姿勢を内外に示す象徴として、グローバルでも浸透している名称である『TEIKOKU』を新たな社名として採用することにした。社名変更は単なる商号の変更ではなく、変革への意志と未来に向けた力強い一歩を示すものだ」
 ― 新社名のもとで、今後どの分野を成長の軸としていくのか。
 「当社は今後の成長に向け、三つの重点分野を明確に掲げている。第一に、脱炭素関連領域の強化だ。特にアンモニアやメタノールといった次世代エネルギーの輸送分野は、当社が長年培ってきた技術が最も発揮できる有望領域であり、グローバルな脱炭素化の潮流に貢献する重要な成長軸と位置付けている。第二に、産業機械や化学プラントなど既存インフラにおける高度な安全性・信頼性のさらなる向上だ。社会基盤を支える領域で技術力を深化させることで、安定的な需要獲得と付加価値向上を目指す。第三に、グローバル市場への一段の拡大だ。海外展開を加速させるとともに、必要に応じてM&Aも視野に入れ、事業規模と存在感を高めていく」
 ― 新燃料船の拡大は、TEIKOKUの事業にどのように結び付くと考えるか。
 「船舶の脱炭素化は今後数十年にわたって続く大きな潮流であり、その中心にあるのが新燃料の採用だ。船舶用燃料がメタノール、アンモニアへシフトするに伴い、それらを『安全かつ確実に移送・貯蔵できる装置』が不可欠になる。当社は長年、アンモニアなどの危険物質の無漏洩輸送を実現してきた実績を持ち、この技術はまさに次世代船に求められる性能そのものだ。したがって、新燃料船の普及は当社にとって大きな追い風となり、コア技術の提供領域が飛躍的に拡大していくとみている」 
― アンモニアやメタノール、液化二酸化炭素(LCO2)などを扱う分野において、「無漏洩」というTEIKOKUの強みはどのような価値を発揮するか。
 「これらについては、環境負荷低減の観点では大きな可能性を持つ一方、漏洩によるリスクは従来燃料よりも高く、取り扱いには高度な技術が求められる。当社が強みとする『無漏洩』を前提とした技術は、まさにこの分野の安全性を支える基盤技術だ。漏洩ゼロは単に事故を防ぐだけでなく、燃料そのもののロス削減、設備の寿命延伸、保守コストの低減といった経済的価値も生み出す。『安全性』と『効率性』を両立させる点で、当社の技術は不可欠な役割を果たすものと考えている」
 ― 船舶業界における認知度向上に向け、どのように取り組むか。
 「当社は化学業界においては高い認知度と信頼をいただいているが、その背景には、創業当初に実績のない後発メーカーでありながら、顧客の声に真摯に向き合い、求められる性能・品質を一つひとつ形にしてきた歴史がある。こうした姿勢こそが今日の評価につながっており、当社の強みである『顧客起点の開発力』と『信頼を積み上げる姿勢』は今後も変わることはない。一方、当社にとって新しい市場である船舶業界においては、さらなる認知度向上が不可欠だ。そのため、国内外の主要展示会への積極的な出展に加え、顧客のニーズを丁寧に汲み取り、それに応える新たな製品・技術の開発に取り組んでいく。顧客との対話を重ねながら、安全性・信頼性に優れたソリューションを提供し、船舶分野における当社ブランドの浸透と存在感の強化を図っていきたい」
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