1. ニュース

2024年10月1日無料公開記事洋上風力発電

発電事業者主導で浮体式技術開発
FLOWRA

  • X
  • facebook
  • LINE
  • LinkedIn
「浮体式洋上風力発電技術研究組合(FLOWRA)」は浮体式洋上風力の量産化技術の確立・低コスト化の実現を目指し、共通基盤技術の開発・社会実装に取り組む組織として今年3月に発足した。浮体式洋上風力は着床式洋上風力が先行する欧州でも低コスト化や大量生産などの課題があり、世界的にもまだ発展途上にある。FLOWRAは浮体式洋上風力で日本が欧州を追い越すべく、浮体式洋上風力の共通課題に業界全体で取り組み、海外市場も視野に入れた国内産業を創出したい考えだ。

FLOWRAでは欧州の洋上風力で採用されてきた技術開発方式であるJIP方式をベースとしつつ、日本の強みを活かし、日本の気象海象などに適した浮体式洋上風力の技術開発を進めていく。JIP方式は洋上風力発電のプレイヤーである発電事業者が、発電事業者自身が必要とする技術を、サプライチェーンを担う事業者と協力しながら作り上げることを目的とするもの。

組合員は7月末時点で計20社、発電事業者のみで構成される。技術開発においては共同研究パートナーとしてゼネコンやマリコン、造船所、重電メーカーなどと連携するほか、各研究機関や認証機関との共同研究、米国やデンマークなど諸外国との連携も視野に入れる。

同組合では浮体式洋上風力発電の共通基盤として「浮体システムの最適な設計基準・規格化などの開発」「浮体システムの大量/高速生産などの技術開発」「大水深における係留・アンカー施工などの技術開発」「大水深に対応する送電技術の開発」「遠洋における風況観測手法などの開発」の5つのテーマを設定、それぞれにテクニカルワーキンググループを設置し、研究・開発を行う。また、各研究テーマで浮き彫りになった新たな課題をカバーするため、6番目の研究テーマとしてコモンR&Dを設定している。

このほか、開発した技術・システムの標準化にも取り組む。標準化においては認証機関との連携により、浮体式洋上風力発電所を開発する際の各種審査や認定の簡略化に繋げたい考えだ。

関連記事

  • 海事プレスアプリ
  • 増刊号今治