1. コラム

2013年2月15日

【四海茫々】(47)出会い

 神戸で最初に開設された銀行をご存知だろうか。英国資本の香港上海銀行神戸支店がそれで、1870年(明治3年)の開業。メリケン波止場の筋向い、海岸通に面した居留地2番に赤レンガ造りの続き

2013年2月8日

【四海茫々】(46)大阪湾国際空港

 関空神戸沖案は宮崎・神戸市長の反対表明(1973年)で空の彼方に消えた。いや、そうなるはずだったが80年代に入るや再浮上し、またぞろ世間を騒がす大問題となった。  口火を切ったの続き

2013年1月31日

【四海茫々】(45)ポンプマッチ

 有為転変は世の習いという。神戸の空港問題を顧みると、「まさに」の感を深くする。  神戸市の宮崎辰夫市長は1期目最後の1973年(昭和48年)、次の市長選に備え神戸沖国際空港の建設続き

2013年1月24日

【四海茫々】(44)奇妙な光景

 六甲連山の山頂の1つに登ると、眼下に神戸の市街地と神戸港、大阪湾が広がり、東の大阪市街地から南の大阪平野と生駒・金剛山地、西の明石海峡、淡路島までを一望することができる。大阪湾が続き

2013年1月18日

【四海茫々】(43)馬上少年過グ

 選挙とは実に怖いものだ。魔物という人さえいる。  社会風潮や失言、スキャンダルなどによって投票の帰趨が左右される“水物”的な怖さがあるし、投票以前あるいは立候補以前の根回しや選挙続き

2013年1月10日

【四海茫々】(42)友好都市事始め

 「姉妹都市」という言葉がある。アメリカ英語のsister cityに由来する。イギリス英語ではtwin cityあるいはtwin townというらしい。また姉妹都市の同義語として続き

2012年12月20日

【四海茫々】(41)天の差配

 神戸港の施設整備はポートアイランドⅠ期から六甲アイランドへ、さらにポートアイランドⅡ期へと壮大な規模で展開された。その足どりを詳しく説明する前に鳥居幸雄さんの話をもう少し紹介して続き

2012年12月13日

【四海茫々】(40)才気煥発

 港に貨物や船社、旅客を誘致するための活動を指して「ポートセールス」という。神戸市の元港湾局長、鳥居幸雄さんが流行らせ、定着させた和製英語である。  昔、運輸省出身でありながら役所続き

2012年12月7日

【四海茫々】(39)神戸港1500年

 セイタカアワダチソウをご存知だろうか。「もちろん」といわれる方が多いはずだ。  北米原産の植物で明治時代に観賞・園芸目的で輸入されたらしい。英名は「カナダ・ゴールデンロッド」。な続き

2012年11月29日

【四海茫々】(38)絶頂期の神戸に

 1981年(昭和56年)5月、神戸支局に着任した記者は支局長からまず神戸市港湾局にあいさつに出向くよう指示された。  神戸市庁舎は旧・居留地に隣接する中央区加納町6丁目にあった。続き

2012年11月22日

【四海茫々】番外その2 関西有情

 昨秋から神戸に住むようになり、元町商店街に足を運ぶ機会が多くなった。  この商店街の興りは古い。神戸開港(1868年、慶応3年)から6年後の1874年(明治7年)、旧・西国街道に続き

2012年11月15日

【四海茫々】(37)総裁と総統

 エバーグリーンの成功には第2幕があった。国際航空事業への進出がそれ。1988年(昭和63年)9月1日、同社創立20周年祝賀会の席上で張榮發会長が構想を発表し、3年後の91年7月1続き

2012年11月8日

【四海茫々】(36)台湾の奇跡

 日本にとって最も近しい国、台湾が経済的飛躍と民主国家への脱皮を果たしたのは1970年代から80年代にかけて。その時代を象徴する人物が2人存在する。エバーグリーンの張榮發氏と元・台続き

2012年11月1日

【四海茫々】(35)円高に負けた

 エバーグリーンと三菱重工神戸工場の関係は1994年(平成6年)春から2007年(同19年)末まで14年間に及び、7船型・48隻の建造実績を残した。  7024TEU積みS型シリー続き

2012年10月25日

【四海茫々】(34)黄金船隊

 エバーグリーンの新造船対日発注は会社創立から4年後の1972年(昭和47年)1月に始まり、2007年(平成19年)12月までの36年間で累計138隻を数えた。年平均4隻に迫る対日続き

2012年10月18日

【四海茫々】(33)日本への思い篤く

 エバーグリーンの東西双方向世界一周サービスは2728TEU積みG型16隻を東航、西航に8隻ずつ投入し、1航海80日間、10日間隔配船の体制で1984年(昭和59年)7月にスタート続き

2012年10月11日

【四海茫々】(32)世界3大航路制覇へ

 欧州定航界の大立者はエバーグリーンの張榮發会長を評して「He is just a youngster」と語った。1984年の話である。  恥ずかしいことにYoungsterは記者続き

2012年10月4日

【四海茫々】(31)激突

 エバーグリーンの台北本社を取材して、ファインな船員管理体制とキャッシュフロー管理体制を実見し、「この会社は強い。伸びる」と確信した。  精緻な経営手法はほかでも見られた。同型船の続き

2012年9月27日

【四海茫々】(30)前哨戦

 1978年(昭和53年)は邦訳の『不確実性の時代』(J・K・ガルブレイス著)がベストセラーになった年である。世の中は正体不明の不気味な危うさに覆われていた。また、この年の8月、日続き

2012年9月20日

【四海茫々】(29)あるがままに

 「運に恵まれた」と思うことがある。張榮發氏との出会いがまさにそれ。  1978年(昭和53年)、記者は長栄海運(エバーグリーン・マリン・コーポレーション、本社=台北)の招きで台湾続き