2025年3月11日無料公開記事洋上風力発電
洋上風力分野で協力覚書締結
日英、FLOWRAと英研究機関の協業など
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経済産業省と英ビジネス・通商省(DBT)、英エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は7日、洋上風力に関する協力覚書を締結した。両国の洋上風力発電の発展に向けた協力を支援・促進し、各国の産業を成長させ、気候変動対策を加速することを目的としたもの。具体的には、浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)と英研究機関のオフショア・リニューアブル・エナジー・カタパルト(OREカタパルト)との浮体式洋上風力分野における技術開発協業に向けた検討や、日本貿易振興機構(JETRO)を通じた二国間投資支援などが含まれる。
3者は協力覚書について、英国の洋上風力分野への日本の多大な投資と、同分野の知見における英国のリーダーシップを踏まえ、両国の洋上風力発電事業を発展させるためには相互協力と知見の共有が重要だとしている。
FLOWRAとOREカタパルトの協力について、FLOWRAは同日に技術開発協業に関する覚書締結を発表した。今年末までの期限で、両者で人材交流や具体的な共同技術開発項目など、浮体式洋上風力分野の開発リスクとコストを削減し産業発展に資するさまざまな事項を幅広く検討するための協力体制構築の可能性を追求する。FLOWRAは今回の覚書について、両国の産業界・学術界・政府が協力して浮体式洋上風力分野のコストとリスクの低減を技術面で図る、具体的な諸活動を促す基盤作りを目指すものとしたうえで、OREカタパルトの卓越した実力・実績と、浮体システム全体の最適化技術の確立に向けてのFLOWRAによるさまざまな活動を合わせることで、開発リスクとコストの削減を目指すことができるものと考えているとした。
このほか、両国は今回の協力覚書に基づき、洋上風力サプライチェーン構築に向けた活動支援に加え、金融、サプライチェーン、送電システムなどの課題を軽減することにより、両国企業が日本、英国、第三国で協力する機会を創出する企業主体の取り組みを促進する。
日英両政府は7日、都内で第1回日英経済版2+2閣僚会合と第2回日英戦略経済貿易政策対話を開催した。洋上風力の協力覚書は日英戦略経済貿易政策対話の際に署名されたもので、日英産業界同士の覚書も両大臣立ち会いのもとで締結された。