2024年10月4日無料公開記事洋上風力発電
浮体式洋上風力やCCSで講演
スマートエネルギーWEEK2日目
-
講演のようす
幕張メッセで開催中のスマートエネルギーWEEKでは3日、初日に引き続き浮体式洋上風力やCCS(CO2回収・貯留)などの講演が行われた。展示会会場内で行われた浮体式洋上風力セミナーでは、BWイデオルや日揮などが講演を行った。また、特別企画CCUSワールドの一環として、カンファレンス会場では特別講演が行われ、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)らがCCSに関する取り組みなどを紹介した。
イデオルジャパンの清水博紀事業開発マネージャーは「イデオルの国内外マーケットにおける取組と展望」と題し、同社の浮体技術「ダンピングプール」の取り組みを紹介した。同社は石油ガス産業の掘削リグなどに用いられるムーンプールの仕組みをバージ型浮体に採用することで、バージ型浮体の欠点である揺れやすさを軽減している。浮体の材料についてはコンクリート製と鋼製どちらも視野に入れており、清水事業開発マネージャーは「案件ごとに判断する方針だ。日本では鋼製浮体も有望なのではないかと考えている」と述べた。また、日本での展開については第一号の商用浮体式洋上風力発電所の開発を目指していく方針を示した。
日揮工務統括本部の勝岡洋一本部長代行は国内浮体式洋上風力の政策や動向、英国の政策などを解説したうえで、同社の取り組みを紹介。洋上風力プロジェクトの安全管理や品質管理などを担うマリンコーディネーションや浮体サプライチェーンの構築のほか、風力発電用特別高圧ケーブルの接続員(ジョインター)育成などに取り組みについて紹介した。
CCUSワールドでは複数の特別講演が行われた。「カーボンニュートラルに向けたCCUS(CO2回収・利用・貯留)の最前線」として、JOGMECの森裕之エネルギー事業本部長とINPEXの加賀野井彰一執行役員が登壇し、それぞれ講演した。森本部長は先進的CCS事業をはじめとするJOGMECの支援や取り組みを解説した。加賀野井執行役員はINPEXのCCSの取り組みについて、先進的CCS事業に採択された首都圏CCS事業や日本海側東北地方CCS事業、豪州のボナパルトCCS、インドネシアのLNGプロジェクトに付随するCCS事業などについて紹介しつつ、世界の政策動向について解説した。