2025年2月27日無料公開記事洋上風力発電
浮体式洋上風力実現へ議論深める
フローティング・ウインド・ジャパン2025
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浮体式洋上風力に特化したカンファレンス「フローティング・ウインド・ジャパン2025」が25日、都内で開催された。今回で4回目となる同カンファレンスは住友商事、住友商事グローバルメタルズ、戸田建設、日揮、オーシャンウィンズの共催とオーシャン・エナジー・パスウェイの後援により開催された。金融や作業船などをテーマとするパネルディスカッションや、国土交通省などによる基調講演が行われ、国内外から洋上風力関係者が多数参加した。
作業船をテーマとするパネルディスカッションでは、住友商事の郷田亮船舶海洋SBUチームリーダーがモデレーターを務め、ケイライン・ウインド・サービスの蔵本輝紀社長やDOFのバリー・スティールVP(ヴァイス・プレジデント)らがパネリストとして登壇した。このほか、金融や浮体式洋上風力の商用化、R&D(研究開発)をテーマとするディスカッションが行われ、浮体式洋上風力実現に向けた議論を深めた。
住友商事の豊田高徳船舶海洋SBU長はクロージングスピーチで「昨今の洋上風力に対しては極めて厳しい目が向けられている状況だ。しかし、日本のエネルギーミックスや脱炭素の文脈からすると洋上風力、とりわけ浮体式洋上風力は極めて大切なポイントになる。この実現に向けては関係者の競争も必要だが、協調領域も非常に大切になってくる。今回のカンファレンスの内容が参加者の共通言語となり、普及に向けて役に立てたのでれば嬉しく思う」と語った。
4回目を迎えた同カンファレンスについて、戸田建設戦略事業本部GX統轄部浮体式洋上風力発電事業企画営業部の原田卓専門部長は「1回目は浮体式洋上風力は夢の技術ではなく現実的な技術だということに焦点を当てて開催した。今回、プロジェクトファイナンスの検討など、より地に足つけた議論をするところまできた」と手ごたえを語った。また、日揮エネルギートランジション本部リニューアブルエネルギープロジェクト部の野田寿貴部長は今回の狙いについて、「(浮体式洋上風力)実現に向けて幅広い知見者が集まり、より現実的な解を出そうという会議になったと認識している。ある程度時間軸を決めて事業性の検討もしながら、現実解を出していくのが今の段階だと考える」と述べた。