2025年1月23日無料公開記事洋上風力発電
米トランプ政権発足
<米トランプ政権発足>
洋上風力リースは当面停止へ
大統領令発令、既存案件は対象外も見直し指示
-
米トランプ政権は20日、領海外大陸棚(OCS)の全区域における洋上風力リースを一時的に撤回する大統領令を発した。既存のリース契約については効力は及ばないものの、リース契約の終了や修正に関する経済的、環境的な必要性を見直すよう内務長官に指示した。また、風力発電プロジェクトにおける連邦政府のリースと認可業務について見直す。
洋上風力リースの撤退について、21日から発効し、この大統領覚書が取り消されるまで有効とされる。これにより、OCS内の全ての区域で風力を利用する発電などを目的とした風力エネルギーリース契約の検討が、新規・更新問わずできなくなる。
既存のリース契約に効力は及ばないものの、大統領令では、内務長官は既存のリース契約の終了または修正に関する生態学的、経済的、環境的な必要性について包括的に見直し、撤回に関する法的根拠を特定、勧告を含む報告書を大統領に提出することとしている。
風力発電プロジェクトにおける連邦政府のリースと認可業務の見直しについては、これまでの連邦政府による陸上・洋上風力発電プロジェクトのリースと認可に法的欠陥があるとの疑いから、航行安全や環境、安全保障などの観点から重大な損害につながる可能性などがあるとしたうえで、すべての関連機関の長はその見直しが完了するまで、陸上・洋上風力発電プロジェクトに対する新規または更新の承認、認可、リース、融資を行ってはならないとした。また、内務長官は米国海洋大気局(NOAA)エネルギー長官と環境保護庁長官、米国環境保護庁長官を通じて、財務長官、農長官、商務長官と協議しし評価と見直しを主導する。評価では、風力発電プロジェクトが野生生物に及ぼす影響のほか、経済的コストと補助金が風力発電産業の持続可能性に与える影響を考慮する。
同大統領令ではこのほか、アイダホ州の陸上風力発電プロジェクト「ラバ・リッジ風力プロジェクト」の一時停止に関する措置や、廃止または遊休の風車が環境に与える影響やコストなどの調査について盛り込んだ。