2024年11月8日無料公開記事洋上風力発電
長崎に洋上風力人材育成施設が開所
日本財団/NaMICPA、年1000人育成へ
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(提供:日本財団)
日本財団の支援のもと、長崎海洋産業クラスター形成推進協議会(NaMICPA)が運営する「日本財団洋上風力人材育成センター」が7日、長崎市伊王島に開所した。同センターは洋上風力技能者を年間1000人規模で育成することが可能。高所作業訓練や落水時の安全行動などの訓練が日英対応で開講され、洋上風力発電の現場で作業を行う上で必須となるGWO資格を取得することができる。2026年度には世界初となる実海域での洋上訓練施設も完成予定で、洋上風力アクセス船から洋上タワーへの移乗訓練を提供する。
今回、洋上風力発電の設置工事やO&M(運転・メンテナンス)を担う洋上風力技能者を対象とした訓練施設である安全訓練棟が完成した。2025年度末には安全訓練棟の隣に、技能訓練棟が完成予定で、機械や電気、油圧作業などの訓練プログラムを実施予定。26年度末には洋上での訓練施設を整備する予定だ。
同日行われた開所式では冒頭、NaMICPAの坂井俊之理事長があいさつに立ち、「洋上風力発電事業が安全、円滑に推進されるための土台作りの拠点として、本施設が存分に活用いただけるよう、さらなる支援と協力をお願いする」と語った。来賓として、馬場裕子長崎県副知事と鈴木史朗長崎市長、みらいえのしまの島田茂東代表があいさつした。
日本財団の海野光行常務理事が同センターのプロジェクト概要を説明した。2022年3月からプロジェクトを開始し、日本財団は5年間の事業期間で30億円規模の予算を組んでいる。このうち、すでに約15億円の拠出が決定している。日本財団によると洋上風力の人材需要は、プロジェクトの企画や風車の設計など全般的な管理を担う技術職と、建設や保守作業を行う技能職を合わせ、2030年に1万5700人、50年に4万8500人を見込む。同センターでは洋上風車500基のメンテナンス人材数に相当する年間1000人規模のGWO安全訓練や救助訓練、応急手当を日英対応で実施する。また、長崎海洋アカデミーとも連携し、欧州の洋上風力発電の最新理論と事例をベースに技術者から技能者まで総合的な養成プログラムを提供する方針だ。
訓練のようす(提供:日本財団)