2024年2月29日無料公開記事洋上風力発電
浮体式風車の係留作業を効率化
KWSとJMUら、多機能専用船開発
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専用船のイメージ図
川崎汽船と川崎近海汽船の合弁会社ケイライン・ウインド・サービス(KWS)と、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)、日本シップヤード(NSY)は、浮体式洋上風車の係留作業を効率的に行う専用船を構想し、日本海事協会(NK)から基本設計承認(AiP)を取得した。調査から保守管理に必要となる多機能性も備えた専用船となる。28日、発表した。
浮体式洋上風車は、アンカーと、係留チェーンや繊維ロープなどで構成される係留システムによって洋上設置される手法が一般的で、船舶による係留作業が必要になる。KWSは効率的な係留作業方法を研究するとともに、それを実施するための船舶仕様を追求し、専用船の構想を発案。JMUとNSYと基本設計の協議を進めた。
開発した専用船は、係留作業に求められる「係留システムの輸送」「係留システムの海底設置・展張」「アンカー把駐力試験」などの作業を効率的に行うことを主目的としている。
さらに、洋上風力発電所の開発から運転に至るまでに必要な「調査」「輸送」「建設」「保守管理」のそれぞれの段階で求められる船舶需要に応えられる船型とした、多機能性は特許を出願中。
グリーンイノベーション基金事業「低コスト施工技術(風車浮体設置)の開発」の一環として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて研究開発を進めた。
AiP授与式の様子