2023年12月13日無料公開記事洋上風力発電
自航式ケーブル敷設船を初発注
東洋建設、投資額300億円、ヴァルドに
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ケーブル敷設船のイメージ
東洋建設は12日、ノルウェーの造船所ヴァルド・グループと、国内最大級となる自航式ケーブル敷設船の建造契約を締結したと発表した。投資金額は約300億円で、同社初のケーブル敷設船となる。国内の自然条件と施工条件に適合した最適な船体設計により、水深の浅い海域から浮体式洋上風力発電や直流送電事業を対象とする大水深海域まで広い海域において高い稼働率での施工が可能としている。また、高性能クレーンと広いデッキ面積により着床式基礎工事や浮体式洋上風力係留工事など多目的な分野に適合可能な仕様だ。
東洋建設本社で11日、調印式を開催し、同社の大林東壽社長とヴァルド社のトルゲイル・ハウガン上級副社長が出席し、契約書にサインした。東洋建設は昨年2月に自航式ケーブル敷設船建造について発表し、その後基本設計と詳細設計を進め、今月8日に取締役会で建造を決定した。
新造するケーブル敷設船はDPS(自動船位保持装置)クラス2搭載で、90人の居住設備を持ち、全長150m、幅28m、深さ12m、最大喫水7.0m、約19000総トン。ケーブルタンクは容量9000トン(可搬式含む)で、250トン吊主クレーンと100トン吊副クレーンとヘリデッキ、4点係留装置を備えている。
また、同社は来年4月1日付で洋上風力部を洋上風力事業本部へと昇格させることを明らかにした。洋上風力事業本部のもと、自航式ケーブル敷設船に加え、エンジニアリング力をさらに強化し、海底ケーブル敷設事業に参画するとともに、着床式・浮体式双方のさまざまな分野で日本の洋上風力発電事業の発展に貢献するとしている。
建造契約の調印式