2023年10月6日無料公開記事洋上風力発電
浮体式洋上風力開発企業に出資参画
商船三井、オドフェル・オーシャンウィンドに
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ノルウェー・オスロでの署名式の様子
商船三井は5日、浮体式洋上風力開発を行うノルウェーのオドフェル・オーシャンウィンド社への出資を決定し、株式割当契約を締結したと発表した。オドフェル・オーシャンウィンド社が開発する浮体設計技術「Deepsea」は、大型浮体式洋上風力案件など、ノルウェー国内の複数のプロジェクトへの採用が見込まれている。商船三井は船会社としての知見を活かし、浮体式洋上風力案件のサプライチェーン事業などへのサポートを行うことで、同国での洋上風力発電事業の実現に貢献していく考えだ。
オドフェル・オーシャンウィンド社は北海を中心としたオフショア石油・ガス事業で培った経験と実績を活かし、ノルウェーでの浮体式洋上風力発電技術開発を行っている。すでに同社が取り組むプロジェクトにおいて、英国の再生可能エネルギー事業者ソース・ガリレオ、関西電力、イケアを展開するインカ・グループの投資部門インカ・インベストメントとの協業を発表している。商船三井は今回の出資によりオドフェル・オーシャンウィンド社のさらなる発展が期待されるとしている。
オドフェル・オーシャンウィンド社が進める浮体設計技術「Deepsea」は過酷な海象条件エリアを含むさまざまな海域において、15MW(メガワット)以上の風車が設置可能な設計となっており、ノルウェー船級協会(DNV)の認証を受けている数少ない浮体技術だ。今後もノルウェー国内でのオフショア石油・ガス関連施設の電化案件や、同国の大型浮体式洋上風力案件などへ取り組む予定で、2035年までに合計50GW(ギガワット)以上のプロジェクトに採用されることを見込んでいる。
商船三井は船会社としての知見を最大限活かし、浮体式洋上風力案件のサプライチェーン事業や周辺事業へのサポートを行うことで、オドフェル・オーシャンウィンド社とともにノルウェーでの洋上風力発電事業の実現に貢献していく考えだ。
商船三井の杉山正幸執行役員(電力・風力エネルギー事業群第二ユニット<風力発電事業>担当)は今回の出資参画について、「両社の戦略に沿った重要なパートナーシップだと考えており、当社はオドフェル・オーシャンウィンド社のパートナーとして、浮体式洋上風力におけるリーディングカンパニーとなることを目指す同社のさらなる発展の為に船会社としての知見・経験を大いに活かして貢献していく」とコメントした。
オドフェル・オーシャンウィンドが開発するDeepsea Starの設置イメージ図