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2024年2月16日無料公開記事洋上風力発電

浮体式洋上風力の大型アンカー完成
横浜工作所ら、事業化へ国産初号機試作

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完成したアンカー試作機

 中小型船の修繕を手掛ける横浜工作所は、米国デルマーグループで浮体式洋上風力向けのアンカーを手掛けるフライホフ社(Vryhof Products、本部=オランダ)、原田産業とともに、浮体式洋上風力発電向け大型アンカー製造の事業化を進めており、このほど、横浜工作所の工場で、国産アンカー第一号となる試作機が完成した。14日に発表した。横浜工作所は今後の需要増を見据えて、近隣造船所を子会社化し、国産アンカーの製造拠点とするべく整備を進めている。
 今回完成した試作機は、浮体式洋上風力発電向けのドラッグアンカー。フライホフ社が長年の研究と多くの経験で培った独自デザインを備えた「Stevpris Mk6」の12トン型で、サイズは約4m×6m×6m。同ブランドは、欧州海域をはじめ世界各地で8000個以上の実績を持ち、世界シェアは約6割を占める。試作機は日本海事協会(NK)の承認を得て、フライホフ社の品質検査に合格し、完成に至った。横浜工作所の敷地内に展示する。
 今後は原田産業が国内代理店として営業窓口を、横浜工作所が資材調達と製造全般、出荷を担う。
 横浜工作所は、生産体制の確立も進める。今後の需要の高まりを見据え、大型工場やクレーン、国内輸送に有利な岸壁を備えた同じ鶴見区のトモイ造船鉄工所(現・安善ドック)を昨年11月に子会社化し、量産フェーズにも対応する、将来的な国産アンカーの製造拠点として整備を進めている。さらに今後は、ドラッグアンカーだけではなく各種海底土質に備え、サクションアンカーや岩盤用アンカーを製品群に加えてニーズに応じた供給体制の確立を目指す方針。

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