2025年2月21日無料公開記事洋上風力発電
洋上風力人材育成の取組紹介
風力発電展2日目、国内市場展望する講演も
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洋上風力人材育成フォーラムのようす
東京ビッグサイトで開催中の「WIND EXPO【春】~第15回 [国際] 風力発電展~」では、1日目に引き続き、特別企画「洋上風力人材育成フォーラム」が開催された。また、会議棟で行われたカンファレンスでは「グローバルリーダーが語る日本洋上風力市場の展望」をテーマに、RWEリニューアブルズジャパンのイェンス・オーフェルトEVP(エグゼクティブ・バイス・プレジデント)とシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジーのニールス・スティーンバーグMD(マネージング・ディレクター)が登壇した。
洋上風力人材育成フォーラムでは、日本風力発電協会の片山仁副代表理事が「国内にある洋上風力トレーニング施設の役割と期待」と題し講演した。また、産学連携洋上風力人材育成コンソーシアム(IACOW)の森田孝明副代表が、現場の課題を学生が理解し、自身の学びとすることを狙いとした実践型インターシップをはじめとする同コンソーシアムの取り組みを紹介し、発電事業者らサプライチェーン企業に対し協力を呼び掛けた。続いて、北拓と商船三井の「北九州トレーニングセンター」や、日本郵船と日本海洋事業の「風と海の学校 あきた」など6つの国内トレーニングセンターの紹介が行われ、各トレーニングセンターが設備や訓練状況などを説明した。
会議棟で行われたカンファレンスでは、RWEリニューアブルズジャパンのオーフェルトEVPが「チャンスと挑戦の道のり:世界と日本の洋上風力市場の可能性を切り拓く」と題し講演した。オーフェルトEVPはトランプ政権発足により逆風が吹く米国洋上風力について、「米国に対する当社のコミットメントは依然として強いままだ。しかし、業界全体が米国で何が起きるのか見守っているようだ」と述べた。また、英国とデンマークで起きた洋上風力公募における入札ゼロについて紹介し、「洋上風力が先行し、政策がある程度確立されていた欧州でも、政策を変え、方針を転換せざるを得ない状況にある」と述べた上で、日本における洋上風力公募における価格調整スキームの導入などを歓迎するとした。日本の事業者選定済みの一般海域の案件について、「問題がないプロジェクトは一つもないと思う。それはプロジェクトのパフォーマンスが悪いからではなく、為替の問題だ」としたうえで、経産省が検討している救済措置以上の取り組みが必要だと語った。