2024年12月28日無料公開記事
2024年は歴史的な円安が海事産業を揺さぶりました。日本の海事産業にとって円安は基本的にプラス材料ですが、行き過ぎた円安のマイナス面も顕在化してきました。38年ぶりの1ドル=160円台をつけた2024年6月に、海事プレスでは超円安の功罪を分野別に連載で検証しました。
①国内船主、円借入が膨張、新規投資困難に、将来の円高リスクを懸念
②邦船社、「プラザ合意」の呪縛から脱却へ、過度の円安は海外事業拡大に逆風
③日本造船業の円安効果に明暗、中小造船所にはマイナス影響
④新造船市場、ドル金利高く円安活かしきれず、円換算船価は歴史的高値圏に
⑤コンテナ船、円安で輸入停滞、物量低迷に懸念、日本直航便維持へ正念場
⑥不定期船、為替と荷動きの連動性が縮小、長期的なサプライチェーンへの影響に注目
⑦内航海運、物価高がモーダルシフト阻害、輸出産業向け輸送のプラス効果も見えず
⑧日本の船舶管理業、足下プラスも長期的に需要減退懸念も
⑨国内修繕業、国際競争の好機も外国人採用に弊害、円建て主体で為替影響限定的
⑩舶用メーカー、収入増も資材費は高騰、海外投資の停滞懸念
⑪船主・金融、円高へのリスク意識希薄に、為替耐久力が低下
⑫海外企業の日本拠点新設・増強相次ぐ、一時のブームに終わらせず市場活性化へ