2024年11月1日無料公開記事洋上風力発電
秋田県沖浮体式実証で業務委託契約
KWS、JMUと係留施工技術の研究開発
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川崎汽船グループのケイライン・ウインド・サービス(KWS)は10月31日、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)がグリーンイノベーション(GI)基金事業で採択された「低コスト化による海外展開を見据えた秋田県南部沖浮体式洋上風力実証事業」の中の「効率的な係留施工方法の検討」について業務委託契約を締結したと発表した。KWSはJMUと連携しながら、効率的な係留施工技術の研究開発に取り組むとともに、風車浮体設置の低コスト化と浮体式洋上風力発電所の建設効率化を目指す。
GI基金事業「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」のフェーズ2となる浮体式洋上風力実証事業に採択された秋田県南部沖の実証事業では、15MW超の風車2基を設置することを目標としており、浮体基礎の量産化と設置低コスト化実現のための技術的課題解決に取り組んでいる。
KWSは2021年度から23年度まで実施された「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」のフェーズ1で、浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業に参画し、大規模な浮体式風力発電所における船舶を用いた係留施工方法の研究を行ってきた。その成果として今年2月にJMU、日本シップヤードとともに浮体式洋上風車向け専用船構想のAiP認証取得を発表。9月には日本海事協会と連携して作成した「浮体式洋上風力発電設備建設のための浮体曳航及び係留施工ガイドライン」が発行・公表された。今回のフェーズ2でのJMUからの委託業務は、フェーズ1の研究開発で培った係留施工技術を、商用規模プロジェクトを見据えて、より実践的なものへと発展させるものとなる。