2024年8月2日無料公開記事洋上風力発電
洋上風力の浮体量産へ協業検討
住友商事/日揮、大島造船とも協議
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住友商事と日揮は7月31日、浮体式洋上風力発電事業領域での浮体構造部材の詳細設計・製造・納入における協業可能性の検討に関して合意書を締結したと発表した。合意書は26日付で締結した。浮体のサプライチェーン構築に向け、生産・供給体制の低コスト化・効率化・量産化を目指す。また、住友商事は大島造船所とも造船用大型設備と造船業で培った量産技術の浮体構造物製造への活用を視野に協議を進めている。
両社は浮体基礎デザインを基にした浮体部材の詳細設計や、浮体製造のパートナーとなる鉄鋼系・造船系メーカーの開拓、発注、製造管理、洋上風力発電の拠点港への浮体の輸送について、協業可能性を検討する。
浮体式洋上風力発電の発電容量は世界全体で2022年の約0.2GWから50年には269GWに拡大する見通しで、50年には年間約800基の新規建設が予測されている。風車の大型化に対応した浮体の開発が求められる中、浮体の技術開発は発展途上で、サプライチェーンも構築されていない。増え続ける洋上風車の需要に対して浮体の供給が追い付かないことが、浮体式洋上風力発電の市場拡大に向けたボトルネックになるとみられている。
住友商事は長崎県西海市江島沖の発電事業コンソーシアムの代表企業を務めるほか、重量物運搬船保有会社や、建設中の風車に技術者や資機材を送る船保有・運行会社への出資を行うなど、洋上風力発電分野に積極的に投資を行っている。
日揮は2018年に専門部署を設けて洋上風力発電分野の進出を目指してきたほか、洋上風力発電分野を長期経営ビジョンや中期経営計画において注力分野として位置付け、事業参入・拡大に向けて取り組んでいる。