2024年2月29日無料公開記事洋上風力発電

洋上風力の最新技術・サービス紹介
国際風力発電展が都内で開幕

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 WIND EXPO[春]〜第13回[国際]風力発電展が28日に東京ビッグサイトで開幕した。海運、造船、舶用機器メーカーなど海事産業も含め、関係する企業らが洋上風力発電分野などに対する最新サービス・技術を紹介した。会期は3月1日まで。
 日本郵船、商船三井、川崎汽船がグループを挙げて出展しているほか、東京汽船、深田サルベージ建設といった海運会社、日本海事協会などの船級、三井E&S造船、日立造船、みらい造船、三菱重工業、JFEグループ、日鉄エンジニアリングといった造船・重工・エンジニアリング会社、古野電気、日本無線など舶用メーカー、海洋土木会社や地質調査会社など多数出展している。
 初日の基調講演では、資源エネルギー庁風力政策室の寺澤峻之室長補佐が洋上風力政策の現状について講演したほか、シーメンスガメサ・リニューアブルエナジーのオフショアAPACのニールス・スティーンバーグMD(マネージング・ディレクター)が登壇し、同社のアジア太平洋地域での取り組みを紹介した。
 寺澤室長補佐は2030年度5.7GWの洋上風力の導入目標への進捗について、一般海域で2030年度までに約4.6GWの目途が立っているほか、港湾区域でも設置されていることから、残る約1GWだと述べた。
 一般海域公募については、大規模発電事業を運営できる国内プレイヤーが多くいることを頼もしく感じているとし、現在の公募では商社や大手発電事業者が落札している現状について説明しつつ、「一方で国としては、海外プレイヤーの参画を否定しているわけではない」と述べた。
 今後の政策方針については、浮体式洋上風力発電の目標策定・公表に向けた取り組みや、EEZ(排他的経済水域)への洋上風力の展開に向けた法整備の検討、洋上風力人材の育成などを挙げた。EEZへの展開については、関連法の改正案が今年度中に国会に提出される予定だ。
 スティーンバーグMDはシーメンスガメサの洋上風車について、「現在設置しているものは8MW級が大半だが、今後14MW級に切り替えていき、アジアでは14MWを使っていくことになるだろう」と述べた。アジア太平洋地域では日本と台湾、韓国での展開を進めているとした。
 風車生産設備については、現在台湾にナセル組立工場を建設しており、これは台湾における風車受注の発電容量が大きいことに起因している。このほか、ベトナムと台湾でタワー工場の建設をすすめるなど、アジア地域での生産体制の整備を進めている。「日本には申し訳ないが、すでに私たちのアジア地域での工場の建設は進んでおり、アジアの風車需要に足るものとなっている」と述べた一方で、「保守修理のビジネスは現地で行っていきたいと考えており、現地のものを活用していきたい」とした。
 会場内では、各ブースで洋上風力関連の取り組みを紹介。浮体式洋上風力や洋上風力作業船の模型などを展示しているほか、送電技術やメンテナンス技術など洋上風力の設計から施工、O&Mにいたるまでの最新技術やサービスを紹介している。

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