2026年4月6日無料公開記事70周年ビールができるまで
SEAJAPAN2026
海事プレス70周年ビールができるまで
第三回 醸造の現場へ
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いよいよ迎えた、勝負の日。そう、実際に醸造作業を行う日だ。
当日は朝 9 時に現地集合で、少し肌寒さの残る中、小田原駅から10分ほど歩き、
カウボーイクラフトの醸造所へ向かった。
これまで味を決めるためにビールを飲み比べてきたが、この日は実際にビールをつくる工程に立ち会うことになる。記者にとっては、まさに未知の領域だ。
醸造所の内部
醸造所に到着し、建物の中に入った。中には大きなタンクなどの設備がずらりと並ぶ。初めて目にするものばかりで、思わず近寄ってまじまじと眺めてしまった。普段はグラス越しにしか接してこなかったビールが、こうした場所でつくられているのかと思うと、それだけで少し気持ちが高まった。
楽しいビールづくり――とワクワクしていた記者だが、作業は決して気軽なものではないらしい。麦芽やホップを投入する量やタイミングによって味わいが変わるため、慎重さが求められるという。カウボーイクラフトで営業&サービスを担う宇都宮ティムさんや、営業部長の小林紀寛さんに教えてもらいながら、ひとつひとつの工程を確認しつつ、作業を進めていった。
まずは麦汁を製造するプロセスから。
ビールの原料となる麦芽(モルト)
今回は、二条大麦、小麦、オーツミールの 3 種類を使う
麦芽を粉砕機に投入
ティムさんが粉砕機で砕いていく
砕いた麦芽を「マッシュタン」と呼ばれる容器へ投入し、温水を加えながらかき混ぜる。これがなかなかの重労働で、しゃもじに似ている。
砕いた麦芽を入れながらマッシュパドルで混ぜるティムさん
実際に「マッシュパドル」を使って混ぜさせてもらったが、すぐに腕が重くなり、一回かき混ぜるだけでも必死だった。作業の負荷は入れた麦芽の種類にもよるらしいが、今回はオーツミールも入っていたため、より粘りがあり、一層大変だった。
巨大なしゃもじのようなマッシュパドルで混ぜる。重い。
麦芽を容器に入れる前に、見たり触れたりしたうえに、麦芽の「味見」もさせてもらった。今回はベースモルツの二条大麦、そして小麦、オーツミールの 3 種類を使用したが、特に小麦はパンのようなほんのり甘い味。こうした原料が、あのビールの味につながっていくのかと思うと、不思議な感覚だった。
麦汁をボイルケトルに移して煮沸した後、適切なタイミングでホップを投入する。毬花のままのものやペレット状のものなど形状もさまざまで、入れる前に香りもかいだが、確かに「これぞビール!」という香りだった。麦汁の煮沸度に応じて投入するもののほか、発酵後に加える「ドライホッピング」もあるという。ビールづくりは、本当に奥が深い。(岡部ソフィ満有子)