ＴＬＰ型浮体式洋上風力でＡｉＰ取得
三井海洋開発／東洋建設、ＮＫから

　三井海洋開発と東洋建設は21日、「ＴＬＰ（緊張係留）方式の浮体式洋上風力発電設備における浮体・係留システム」に関する基本設計承認（ＡｉＰ）を日本海事協会（ＮＫ）から取得したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）により、三井海洋開発と東洋建設、古河電気工業、ＪＥＲＡが採択されたグリーンイノベーション基金事業の一環である「低コストと優れた社会受容性を実現するＴＬＰ方式による浮体式洋上発電設備の開発」の開発項目の一つにあたる一体設計技術に関する成果となる。
　今回のＡｉＰの対象範囲は風車本体を含まない支持構造物部で、両社の所掌は浮体と係留における係留索やコネクターが三井海洋開発、係留における杭基礎が東洋建設となる。
　三井海洋開発は、2020年に浮体式洋上風力発電設備に関するＡｉＰをＤＮＶからも取得している。日本国内で実証を行うことを見据え、実証時に必要となるウィンドファーム認証（ＷＦ認証）と船級検査に係る審査の一部を先取りして実施することを目的として、今回はＮＫでのＡｉＰを取得した。同社は今回のＡｉＰ取得にあたり、地震や津波に代表される日本特有の環境条件における検討も実施した上で、有識者からの意見も含め、ＮＫから今後の開発や設計に資する意見があったことに触れ、実証試験時の検討に反映する予定だとした。
　三井海洋開発はＴＬＰ方式の浮体式海洋石油・ガス生産設備において世界一の建造実績を有しており、その経験と技術により大容量風車搭載を可能にするとともに、高い社会受容性と優れた経済性をもつ浮体・係留システムの早期実現に向け取り組んでいくとしている。