2024年3月15日無料公開記事洋上風力発電

23年の純利益2.5倍の6億ユーロ
蘭ボスカリス、洋上風力向けなど全事業好調

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 オランダの海洋土木大手ロイヤル・ボスカリス・ウエストミンスターがこのほど発表した2023年通期業績は、売上高が前年比19.6%増の42億8000万ユーロ、EBITDA(税・金利・償却前利益)が68.2%増の10億1600万ユーロ、純利益が2.5倍の6億100万ユーロと大幅な増収増益だった。受注残高は60億100万ユーロで、前年の61億1000万ユーロからほぼ横ばい。
 ボスカリスのピーター・ベルドウスキーCEOは「2023年はボスカリスにとって特に成功した年で、多くの記録を更新することができた。純利益は6億ユーロを超え、EBITDAは10億ユーロを超え、過去最高となった。すべての事業部門がこの素晴らしい数字に貢献した」とコメントした。
 浚渫・内水インフラ事業では、中東、極東、欧州の大型プロジェクトで船舶が順調に稼働。トーゴとベナンの海岸の保護、アムステルダム北部のマルカメール堤防の補強などの気候変動対応プロジェクトにも貢献した。
 オフショア・エネルギー事業では、2023年に世界29カ所の洋上風力発電所の建設に携わり、オフショア事業の収益の50%を洋上風力関連が占めた。米国で初の風力発電プロジェクトを完遂し、台湾と欧州では複数の風力発電プロジェクトに従事した。同社は「洋上風力発電と従来の石油・ガス市場の両方からの旺盛な需要に対応することができた」としている。
 ボスカリスは最近ALPマリタイムを買収し、アンカーハンドリングタグ(AHT)8隻が船隊に加わった。以前にグループに加わったサブシー・サービスとマリン・サーベイも業績に貢献した。
 海上輸送・サービス事業では、サルベージ部門との協力の下、激しく損傷した全長330メートルのFPU(浮体式生産ユニット)“Zafiro Producer”を重量物船“BOKA Vanguard”でスクラップヤードに輸送するなど、注目度の高いプロジェクトを実施した。
 サルベージ部門では、イエメン沖の紅海で48年前に建造されたFSO(浮体式石油貯蔵積出設備)“Safer”から原油110万バレルの原油を抜き取ることに成功し、同地域で混乱が起こる前に作業を完了。また、自動車船“Fremantle Highway”火災事故の消火と引き揚げに成功した。

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