2024年3月13日無料公開記事洋上風力発電

浮体基礎の低コスト化・量産化で合弁
オドフェル・オーシャンウィンド

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 浮体式洋上風力開発を行うノルウェーのオドフェル・オーシャンウィンドはこのほど、洋上風力の浮体式基礎の低コスト化・量産化に向け、自動化技術開発などを手掛けるプロドテックスと合弁会社「ウィンドスティール・テクノロジーズ」を設立したと発表した。合弁会社は2027年までに浮体式基礎工場の稼働を目指す。
 両社は、オドフェル・オーシャンウィンドの浮体技術「ディープシー」について自動化された製造・組み立て技術を開発してきた。両社の数年間にわたる協業の結果、合弁会社の設立に至った。
 ウィンドスティール社は、浮体式基礎の製造では既存のサプライチェーンとは異なる生産アプローチが必要であり、オイル&ガスや造船業ではなく自動車や航空宇宙産業における製造の考え方が求められるとの認識に基づき設立された。
 新工場の建設候補地は浮体式洋上風力の大規模開発が早々に行われる可能性が高い北海方面などを視野に入れる。ノルウェー沖で2027年に計画しており、浮体基礎「ディープシー・スター」が採用される浮体式実証プロジェクト「ゴリアテVIND」に間に合うように工場を稼働させることを目指すとしている。
 オドフェル・オーシャンウィンドのCEOで、ウィンドスティール社の会長を務めるパール・ルンド氏は「将来、浮体式洋上風力が重要なエネルギー源となるのであれば、われわれはコストを大幅に削減し、規模を大きくする必要がある。また、品質を犠牲にすることなくそれを実現する必要がある。15MW級超の風車に対応する当社の浮体は、修理のために曳航することなく30年以上、極度の負荷に耐えることができるはずだ。低品質の溶接や表面処理による故障は決して容認できない」とコメントした。
 プロドテックスの共同創設者でウィンドスティール社の取締役を務めるトーレ・ロッペン氏は「ウィンドスティール社では、プロドテックスが、自動車や航空宇宙産業向けの自動溶接や製造ソリューションの開発やインフラプロジェクト向けの大型鋼構造物の量産技術開発から学んだすべてを組み合わせている」と述べた。

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