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2026年4月22日無料公開記事

ドック増設、シリアに新工場も計画
トルコ修繕クゼイスター、FSRUやLNG船で差別化

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FSRUの大型改造工事を実施した

 トルコの船舶修繕ヤード、クゼイスター・シップヤードが、設備投資による受け入れ能力の拡大を進めている。新たに浮きドックを増設して能力を50%程度向上。さらに地政学リスクへの対応としてシリアでの工場建設計画にも着手した。工事の高付加価値化を進めており、LNG船やFSRU(浮体式貯蔵再ガス化設備)改造の実績も積んでいる。
 クゼイスターは、イスタンブールの修繕ヤード集積地であるトゥズラ地区とヤローヴァ地区にそれぞれ工場を持つ。トゥズラ工場で浮きドック2基(300m×52m、227.5m×36.2m)を運用してきたが、これに加えてヤローヴァ工場に290m×46mの浮きドックを新たに取得した。今年5月頃に全面稼働を予定している。
 ヤローヴァでの新ドックの本格稼働により、同社の修繕能力は50%程度拡大する見込み。従来は年間で100隻前後の工事を行っていたが、今年はトゥズラ工場で90隻程度、さらにヤローヴァ工場で25隻程度の追加受け入れを見込んでおり、能力拡張効果が表れる見通しだ。また、これまでトゥズラでは喫水制限により大型船の受け入れを断らざるを得ないケースもあったが、ヤローヴァは喫水が深く、大型のコンテナ船やRORO船などに対応可能となり、受注機会の拡大につながる。
 同社は近年は、高付加価値分野へのシフトを進めている。昨年はクロアチア国営電力会社のFSRU“LNG CROATIA”の能力拡張工事を実施。新しい再ガス化ユニットの搭載などを行う大規模工事で、工事金額は1560万ユーロに達した。またLNG船もGTTのライセンスを取得して、これまで5隻の修繕工事を実施。商船三井と伊藤忠商事の共有LNG船の工事も手掛けた。このほかPSV(プラットフォーム・サプライ・ベッセル)を調査船に改造するような工事も手掛けており、新技術領域での実績を積み上げている。
 高付加価値案件への対応力の背景には、ヤード内にワークショップを持つ体制がある。トゥズラ工場では機械・電気分野を含めた各種作業を内製化し、LNG船向けの専用ワークショップも整備している。「これにより、外部委託による時間ロスを抑え、工程全体を自社で管理できる」とベフルル・カン・アスラン営業副部長は語る。昨年のFSRUの案件では能力拡張と検査を43日間で完了するなど、工程管理力の高さも示している。
 一方、近年はトルコの修繕ヤードも地政学リスクに直面する。クゼイスターはこの対応策として海外展開も進める。最初の投資先としてシリア・タルトゥースでの修繕事業を計画しており、2年以内の稼働開始を目指す。さらに「大西洋やアジア地域での展開も検討しており、将来的には世界各地で同一水準のサービスを提供する体制構築を目指す」(アスラン副部長)との考えだ。
 クゼイスターは22日から都内で開催される海事展「Sea Japan2026」にも出展を予定している。
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