1. コラム

2015年9月11日

(166)豊饒の海

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 「衆寡敵せず」という。多数と少数の力関係は明らか。大と小についても同様。だから中国の国々は往古から “大国衆民”を求め戦いに明け暮れた。今の中国しかり。人がやることであり、どだい変わるはずがない。ところが中国が生んだ思想家、老子は“小国寡民”を理想郷とした。皮肉、批判の辛味が利いており、いかにも老子らしい。空文に等しい主張といわれがちだが、実践例がないわけではない。シンガポールがそうだ。...