1. コラム

2015年8月28日

(164)入牢うたた凄然

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旅館の寒灯 独り眠らず 客心 何事ぞ転た凄然たる 故郷 今夜 千里を思う 霜鬢 明朝 また一年  8世紀、唐・玄宗皇帝時代の官僚、高適(こうせき)が詠んだ七言絶句。『除夜作』と題されている。寒さと寂しさが身に沁みるような詩で作者の不遇を偲ばせるが、その後、高適は栄達を重ね渤海県侯に封じられた。県侯は列侯の1つで領地を与えられる爵位だから相当に偉い。この詩を口ずさむと、なぜか稲田徹さんを思い...