1. コラム

2015年1月23日

(135)強運と負い目

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 「散る桜 残る桜も 散る桜」  「帰りなんいざ 田園まさに蕪(あ)れなんとす」  上は良寛の作といわれている。“辞世”との解説がもっぱらだが、怪しい。逝く人が残る桜の人々を指して「散る桜」と言挙げするはずがない。もし残る桜の立場から詠んだとすれば今度は辞世にならない。そんなことはともかく、この短い言葉は人の心をしんとさせ、潔さ、儚さ、無常観などもろもろの感興を呼ぶ。  下は陶淵明(中国)...