2025年11月28日無料公開記事台湾洋上風力 洋上風力発電

《連載》台湾洋上風力<下>
洋上風力は50年40~55GWを導入へ
脱原発・再エネ拡大でエネルギー転換進む

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 台湾は、石炭火力発電の削減・脱原発・再生可能エネルギーの拡大を柱とするエネルギー転換を進めてきた。こうした政策のもと台湾洋上風力市場は成長を続けている。台湾経済部によると、2024年の電源構成は石炭火力が39%、LNG火力が42%、再生可能エネルギーが12%となった。今年5月には最後の原子力発電所の運転を停止し、政策目標だった脱原発を実現した。さらに石炭火力からLNG火力への転換を進め、再生可能エネルギーについては2050年までに60~70%の導入を目指す。また、洋上風力では導入目標として2050年までに40~55GWを掲げる。
 台湾の電力需要は増加傾向にあり、特に半導体産業が需要を力強く押し上げている。経済部はAI技術の進展や半導体産業の拡大などを背景に、今後10年間で年平均1.7%の成長を予測する。
 経済部はまた、再生可能エネルギーが国際的な潮流であり、産業競争力強化の重要な要素だと強調する。10月に開催された台湾最大のエネルギー展示会「Energy Taiwan(台湾国際エネルギー展示会)」と「Net-Zero Taiwan(ネットゼロ台湾)」では、RE100の取り組みや再エネ調達の重要性が繰り返し議論された。RE100は、企業が事業活動で使用する電力をすべて再生可能エネルギーで賄うことを目標とする国際的なイニシアチブだ。化学メーカーやIT企業、ファッション、コンサルなど幅広い分野の企業が400社以上参加し、世界の大手企業も数多く名を連ねる。台湾のサプライチェーンに関わる企業も2050年ネットゼロ達成を掲げるほか、RE100に参加する。
 同展示会の記者発表会に登壇した洋上風力発電事業者シネラ・リニューアブル・エナジー(SRE)の林雍堯会長は、電力需要家が再エネ事業者に直接接触し、長期での電力購入契約を求めるケースが増えていると指摘した。また、国際的な投資家からの要求を背景に、グリーン電力証書の調達を急ぐメーカーの事例を紹介し、「グリーン電力は生産の要素でもあり、競争の要素でもある」と語った。
 エネルギー転換と産業競争力の両面で再エネの需要が増す中で、台湾にとって洋上風力は電源確保と産業基盤を支える戦略的な存在となっている。インフレや政策転換などにより、世界的に洋上風力の減速が続く一方、成長の途上にある台湾洋上風力の今後の展開に引き続き注目が集まる。
(この連載は、春日映莉子が担当しました)

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