2025年2月19日無料公開記事洋上風力発電

CTV船社NOGに過半出資、連結化
日本郵船、運航経験のさらなる蓄積図る

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左から日本郵船のハグマン執行役員、NOG社のキリステンソンCEO、日本郵船の横山勉執行役員

 日本郵船は18日、欧州最大手のCTV(クルー・トランスファー・ベッセル)運航船社ノーザン・オフショア・グループ(NOG社)の過半数株式を取得し、連結子会社化したと発表した。日本郵船はNOG社と2019年に覚書(MOU)を締結して以来、CTVの運航面、技術面で協力関係を築いてきた。今回の株式取得により洋上風力発電関連事業で欧州市場への参画を果たし、国内洋上風力産業の拡大を見据えた運航経験のさらなる蓄積を図る。

 日本郵船は先月30日にNOG社の過半数株式を取得した。NOG社は現在、欧州と米国の洋上風力発電サイトで、60隻以上のCTVを運航している。今回の株式取得により、NOG社は日本郵船のグローバルネットワークを活用し、さらなる技術開発と成長を目指す一方、日本郵船は将来予想される日本の洋上風力発電の拡大に向けて、運航経験を得ることとなる。
 引き続き、NOG社CEOのダビト・キリステンソン氏が同社を率い、日本郵船執行役員で日本郵船グループ欧州地域代表のカールヨハン・ハグマン氏が取締役会議長に就任する。
 ハグマン氏は今回の出資について、発表の中で「数年前から当社はNOG社との親密な関係を築いており、ごく自然な形で同社への出資に至った。NOG社は引き続き独立した法人として運営され、同社の発足の地であるドンソ島に根付く精神を保持しつつ、日本郵船グループのグローバルリソースを活用できるようになる。当社とNOG社は、最高の品質に対するコミットという価値観を共有しており、また2050年までに温室効果ガス(GHG)排出ゼロを目指すソリューションの先駆者となることを目指している。私たちはパートナー、顧客と洋上風力産業の未来を共創することを楽しみにしている」とコメントした。
 また、キリステンソン氏は「私たちは日本郵船との協力関係を拡大できることを大変うれしく思う。日本郵船はグローバル海運業界での重要なプレーヤーであり、ともに私たちの存在感を高め、顧客に対するサービスをさらに向上させることができる」と語った。
 日本郵船とNOG社は19年にCTV事業における協業に関する覚書を締結した。21年にはその一環でNOG社子会社ノーザン・オフショア・サービシズ(NOS社)と新造CTV“Energizer”の裸用船契約を締結し、日本郵船初のCTV保有となった。また、23年に竣工し、日本郵船グループが初めて保有・運航することとなったCTV“RERA AS”の運航開始にあたっては、NOS社から技術・営業面でサポートを受けるなど、関係を築いてきた。

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