《連載》次代への戦訓
「意志あるところに道は開ける」
飯野海運相談役・當舍裕己氏⑤

　日本は食料、原料、エネルギーなど貿易量の99％を海上輸送が担っている。われわれ海運会社は、ものを運びその対価として運賃・用船料をいただくが、金融経済とは異なり実体経済の活動をしている。実体を伴うビジネスであることが海運の最大の魅力だと思う。 　海運は自分一人ではできない仕事でもある。為替や金融のディーラーは瞬時に一人でお金を稼ぐことができるが、われわれはそうではない。船を造るところから...