2023年10月13日無料公開記事洋上風力発電
半潜水式重量物船2隻長期用船
SALヘビーリフト、洋上風力向けなどに投入
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“Zhong Ren 122”
ドイツの重量物船運航船社SALヘビーリフトは6日、2万6000重量トン型半潜水式(セミサブマーシブル)重量物船“Zhong Ren 121”と“Zhong Ren 122”を中国の上海サルベージから長期用船すると発表した。2023年12月から24年2月の間に上海で引き渡しを受け、ジャンボSALアライアンスを通じて営業を行う。
同2隻は引き渡し後にアジアから欧州向けの輸送を行い、その後米国の洋上風力発電プロジェクト向けに投入される。SALは風力発電プロジェクト終了後に上海サルベージとの用船契約をさらに2〜3年延長する予定。
同2隻は全長169m、幅39.8mで、広さ5300㎡と強度25mt/㎡のカーゴデッキを備える。最新の自動船位保持システム(DP2)を搭載し、平均航海速力は12ノット。最大59人が宿泊できる。
クレーン式重量物船大手のSALは近年半潜水式重量物船も強化し、2021年に同部門の専門部署を設置。17年から同部門で韓国船社パンオーシャンの代理店を務めている。
SALのマーティン・ハーレンCEOは「われわれは“マイルストーン”という言葉を軽々しく使わないが、このプロジェクトは商業的にも戦略的にも当社グループにとって非常に重要だ」としたうえで「当社の多目的船・重量物船隊は現在54隻と世界有数の規模で、世界で最もパワフルな重量物船隊を顧客に提供している。しかし、われわれの顧客、特に洋上風力発電セクターの顧客からの要求と要件がますます広範かつ複雑になってきている。この2隻はこうした要求に応え、場合によってはそれ以上のものを提供する機会を与えてくれる。われわれの顧客はより多くの選択とより良いソリューションから利益を得ることができるだろう」とコメントした。