2026年9月25日無料公開記事FC今治

海事都市にサッカーの磁力
FC今治・矢野社長、海事134社と世界へ

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今治市を拠点とするサッカークラブ、FC今治が、海事産業との結び付きを強めている。同クラブのパートナー企業のうち、海事関連は実に134社。地元今治の造船所や船主、舶用企業だけでなく、今治市外にも広がる。海外船社も10社を数え、Jリーグのクラブの中で異彩を放つ。今治.夢スポーツの矢野将文社長に、海事産業がプロスポーツクラブを支える意義や、世界を見据えた将来像を聞いた。

― FC今治のパートナー企業のうち、海事関連企業は何社になりましたか。

「9月時点でパートナー企業が541社あり、このうち海事産業は134社だ。内訳は、造船所13社、船主・オペレーター70社、舶用機器などの関連企業51社だ。また134社のうち96社が今治市内の企業となる」

― 今治市の海事産業にFC今治がこれほど受け入れられた理由は何だと思いますか。

「われわれがサッカーを通じて町を元気にしようとしていることを認めていただいたのだと思う。従業員や家族の福利厚生、人材獲得や企業イメージの発信にも活用いただいている。いま企業は、良い人材を獲得するためにも、町に人を呼び、地域を盛り上げることへの関心が高い。地域のクラブと一緒に街を盛り上げる意義を、今治市の企業の方々に感じていただいていると思う」

― 海外船社がFC今治のパートナーに名を連ねている点も、海事産業では話題です。

「9カ国・10社の海外船社にパートナーになっていただいている。Jリーグでも、これほど海外企業がパートナーにいるクラブは珍しい。当社の社外取締役を務める今治造船の檜垣幸人社長や、商社の方々が海外企業とつないでくれたおかげだ」
「もともと世界の海事産業はサッカーと縁が深い。スポンサーだけでなく、イダン・オファー氏のように、有力船主がクラブのオーナーになっている例もある。グローバルなビジネスパーソンにとってサッカーは共通言語で、ビジネスのアイスブレイクにもなる。今治市に来た海外企業の方をスタジアムにお連れすることもあり、海事産業とサッカーは親和性が高い」

― FC今治にとって、今治市の海事産業はどのような存在ですか。

「今治市にとって海事産業は街を形成する中心的な産業であり、FC今治にとっても欠かせない存在だ。スタジアム建設でも多くの海事企業に当社の増資に応じていただいた。現在、当社の筆頭株主は今治造船グループ、第2位がBEMAC、第3位が潮冷熱で、海事企業21社に株主になっていただいている。スタジアムの支援だけでなく、海事企業の寄付によって今治市のMICE(国際会議・展示)施設の整備などを進める動きもあるように、海事産業の方々は、今治市のインフラを自分たちも支えていくという思いを持っておられる」

― では地元の海事産業の支援に対し、FC今治としてはどのような価値を提供していきたいですか。

「まずは町を元気にすることでお返ししたい。また、人口減少が進む中でも、次の世代が『この町ならやっていける』と思える地域にするお手伝いをしたい。自分たちの町に、世界へ挑戦しようとするチームがあることを誇りに思ってもらえるよう頑張りたい」

― 今治市以外の海事企業もパートナーになっています。どのような価値を提供できますか。

「1つはネットワーキングだ。海事産業はもともと密なつながりがあるが、FC今治を応援するという共通点によって、新しい接点を持ったり、より関係を深めていただける。また、当社は今治市の自然を活用した企業研修も行っており、市外の海事企業にも利用いただいている。例えば皆で協力していかだを作って海を渡るなど、座学とは異なるチームビルディング型研修も提供しており、是非活用していただきたい」

― スタジアムは企業同士の交流にも使われていますね。

「スタジアム3階のスイートルームは企業に契約いただいており、試合の日はまさに社交の場になる。また、海事企業がインターンシップの学生を招待することもある。地域のスポーツ・エンターテインメントと密接につながっている企業の姿は、学生にも魅力的に映ると思う。採用や企業イメージの発信にも活用いただきたい」

― 海事産業との今後の関係や、クラブの将来像を教えてください。

「まずホームタウンを盛り上げ、スタジアムを拠点に365日のにぎわいを作る。そして、われわれはスポーツをやっている以上、勝たなければならない。『2030年に目指す姿』では、世界に打って出ることを掲げている。まずJ1、その先にアジア・チャンピオンズリーグ、そして世界がある。そういう存在になれば、世界の海事産業の人たちにも楽しんでもらえると思う」
「サッカーも海事産業もグローバルだ。ともに世界平和を基盤とし、地球環境への対応という共通の課題もある。海事産業の皆さんと、われわれが見ている方向には重なる部分が多いと思う」

― 世界には海事産業と関わりの深いチームが多数あります。将来のマッチアップも楽しみですね。

「世界の港町にはサッカークラブが多い。われわれもレベルを上げて、将来は『港町リーグ』ができれば面白いと思っている」
(聞き手:対馬和弘)


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海事プレスはFC今治と2026/27シーズンのメディアパートナー契約を締結しました。海事業界紙として、FC今治と海事産業の結びつきなどを発信していきます。
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