2026年7月21日無料公開記事

船舶データの分析高度化
ケプラー、新サービスをベータ公開

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 海事データ分析大手のケプラーは16日、都内で海事関係者向けセミナー「Kpler Maritime Forum」を開催した。船舶位置情報サービス「マリントラフィック」をはじめとする海事分野のデータサービスの活用事例を解説した。新サービス「シップインテリジェンス」のベータ版を同日公開したことも明らかにした。
 マリントラフィックは約300万隻の船舶データを収録する。船舶の基本情報に加え、船主・管理会社、P&I保険、船級協会、造船所、エンジンメーカー、入渠履歴などを確認できる。IMO番号を持たない小型船も対象とする。
 シップインテリジェンスは搭載機器や代替燃料への対応状況などから対象船を抽出できるようにする。エンジンメーカーやスクラバーの搭載状況、燃料種別、船体塗装などを条件に船舶を検索できる機能を順次追加する。
 ケプラーの山田優氏(APACコマーシャル・チーム・リード)は「これまでは世界最大級のビッグデータを提供してきた。今後はデータを分析・整理し、使いやすい情報として提供していく」と説明した。
 日本では23年8月にマリタイムチームを発足した。当時19団体だった法人版の利用団体は、現在180団体まで増えた。制裁リスクを分析する機能「リスク&コンプライアンス」は、提供開始から1年足らずで急速に導入が拡大している。
 リスク&コンプライアンスは制裁リストとの照合だけでなく、船舶自動識別装置(AIS)の停止や位置情報の偽装、洋上での瀬取り、規制対象貨物の輸送などを検知する。AISデータと衛星画像を照合し、船舶、貨物、運航上の挙動を組み合わせてリスクを分析する。
 ケプラーの大山光太氏(カスタマー・サクセス・マネージャー)は「制裁リストを確認するだけでは分からないことが数多くある。いつ制裁対象になるか分からないことがリスクとなっている」と指摘。「点ではなく、船舶、貨物、挙動を含めた立体的な全体像を見て、リスクを察知していくことが必要だ」と話した。
 ケプラーは23年にマリントラフィック、25年には船舶追跡用の衛星データを提供するスパイア・マリタイムを傘下に収め、船舶位置情報の収集網を拡大している。
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