2025年4月23日無料公開記事内航NEXT
食品メーカーの貨物を海上シフト
栗林商船、ドライバー拘束時間とCO2を7割超削減
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栗林商船は22日、食品メーカーのシマダヤの貨物を海上モーダルシフトしたことで、トラックドライバーの拘束時間と環境負荷を削減したと発表した。いずれも陸送と比べて7割以上削減。両社は今後もさらなる海上シフトを推進していく。
シマダヤの輸送網は従来トラックによる陸送のみだったが、トラックドライバーの残業規制が強化される物流の2024年問題や環境負荷低減に向けて取り組みを進めようと、鉄道や海上輸送に関心を持つようになった。同社は東北地方に主力工場があるため仙台港を使う必要があり、仙台―大阪航路を運航する唯一のRORO船事業者である栗林商船グループに輸送を依頼することに決定。栗林商船グループで陸上輸送を担う栗林運輸が、シマダヤから冷凍麺輸送の依頼を受け、2024年3月に海上モーダルシフトを実現した。宮城県内にあるシマダヤの工場から大阪府内の倉庫までトラックで陸送していたのを、仙台港から大阪港までRORO船に乗船するよう変更した。
海上モーダルシフトの結果、74%(月間4.64トン)のCO2排出量削減に成功。また、海上輸送を含む複合輸送へのモーダルシフトにより全区間で陸上輸送を行う従来の輸送計画に比べ、陸上輸送区間の所要時間が従来の11時間から8時間短縮され、ドライバーの拘束時間削減も実現している。