2023年4月28日無料公開記事内航NEXT
東ソー物流グループが導入
内航船員勤怠管理システム「Crewlog」
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東ソー物流の100%子会社で内航船の船員配乗・船舶管理を手掛けるコーウン・マリン(山口県周南市)は、九州デジタルソリューションズ(熊本県熊本市)が開発・提供する船員向け勤怠管理サービス「Crewlog(クルーログ)」の導入を決めた。
九州フィナンシャルグループの九州デジタルソリューションズは、2015年3月にCrewlogの提供を開始。内航船員の働き方改革などによって煩雑化する労務管理業務をサポートするサービスで、現場の乗組員の意見を参考に開発した。
コーウン・マリンはこれまで船員の労務管理を紙ベースで行っていたが、2022年4月の改正船員法施行(船員の労働時間管理強化など)を契機にシステム導入の検討を開始。まずは国土交通省が推奨するエクセル(マクロ)での運用を開始し、いくつかのベンダーが提供しているサービスの検討を行った。
コーウン・マリンの山下良一取締役は、Crewlogの導入を決めた経緯を説明。「船員はPC操作が苦手な方も少なくない。そのためデジタル化への抵抗感を持つ方も多く、習熟に時間をかけて、段階的に操作に慣れてもらう必要があった。数あるサービスの中から資料請求を行い、Crewlogを選び、ドック入渠時の機会を利用して無料トライアルを実施。実際に船員が触れることで運用面や利用方法などを相談した。現場のデジタル化への移行と同時に、本サービスを利用した場合の運用イメージや疑問点について時間をかけて解消し、導入に踏み切ることができた」と話す。また、「九州デジタルソリュージョンズは、お客さまの声に耳を傾けるきめ細やかな対応と、九州を代表する金融グループの子会社であるという安心感があり、本システムを長く利用していく上での安定性が導入の決め手となった」と述べた。
山下取締役は今後の目標と展望について、「海運業界は船員の人材不足、高齢化、陸上と異なった特殊な就労体系などによる定着率の低下が課題となっている。これまで紙ベースで行っていた業務・管理をデジタル化することで、①従業員の作業負担軽減②労働時間の上限超過の事前予測(長時間労働の防止)③船員の健康管理(就労状況の見える化)④運航スケジュールの効率化による生産性向上・時間の有効活用—などを改善できると考えている」と語った。