2023年3月30日無料公開記事内航NEXT

内航船員関連行政手続き電子化へ
国交省海事局、アンケートで7割がオンライン化望む

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 国土交通省海事局は内航船員関連の行政手続きの電子化を進める方針で、今夏の概算要求に向けて案を固めていく。海事局は24日に開かれた交通政策審議会海事分科会船員部会で、船員行政手続き申請者を対象に実施したアンケートの結果を公表。申請者の7割が手続きの電子化を進めるべきと回答した。
 政府が進める行政手続きのオンライン化を受けて船員行政分野でも取り組みを進めていく。現在は海事免状などの現物を運輸局の窓口に持参する必要があるなど申請者にとって負担になっている。
 海事局が2022年9月に地方運輸局などを訪れた船員行政手続き申請者にアンケートを実施。回答者の7割は船長を含む船員で、目的は雇入・雇止の届け出が4割で最も多かった。移動にかかる平均時間は61分、平均費用は1500円だった。オンライン化の是非を尋ねたところ、7割が進めるべきと回答。「有給休暇を取得して来庁しているので電子化して欲しい」「最寄りの港に窓口がない」といった声が聞かれた。その一方で、「オンライン化は進めて欲しいが、手続きが煩雑で電話や窓口で対応いただくこともあるので引き続き窓口でも対応いただきたい」という意見もあった。
 船員部会では労働側委員を務める全日本海員組合政策局の遠藤飾総合政策部長が、「船員行政のDX(デジタルトランスフォメーション)は、船陸間通信などの環境が整っている前提での話になる。どこまで環境整備が進んでいるのかと、今後の見通しが知りたい」と質問。海事局は「停泊中など通信しやすい時に手続きを行っていただく方法もある。また、書類作成など、これまで船員がやっていた手続きを陸上でもできるようにするなど、手続きそのものの見直しも考えられる。通信環境については、国交省と総務省、水産庁で連絡会議を開いており、船員がデジタル化の波に取り残されないよう議論を進めているところだ」と回答した。

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