2023年3月30日無料公開記事内航NEXT

旭タンカーに次世代内航船リース
三井住友ファイナンス&リース、CO2削減でリース料変動

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 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は29日、旭タンカーに対し、次世代内航電気推進タンカー“あかり”のリースを28日に開始したと発表した。今回SMFLが旭タンカーと締結したリース契約は、ポセイドン原則に連動し、二酸化炭素(CO2)削減実績に応じてリース料を変動させるサステナビリティ・リンク・リース。SMFLにとって海運事業者向けのサステナビリティ・リンク・リース/ローンは8件目で、内航船での取り組みは初めて。
 “あかり”は昨年4月から旭タンカーが商業運航を行っている“あさひ”に続く、世界2隻目の次世代内航電気推進タンカーで、東京湾内で船舶向け燃料補給業務に従事する。同船はe5ラボが企画・デザインした大容量リチウムイオン電池を動力源とするピュアバッテリー船で、CO2、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、煤煙などのゼロエミッション化を実現し、環境負荷を低減する。また、騒音や振動を抑えることで乗組員の労働環境と港湾周辺環境に配慮。自然災害発生時に船内の大容量バッテリーで貯めた電気を非常用として陸上で活用することで、地域のBCP(事業継続計画)やLCP(生活継続計画)に貢献する役割も担う。
 SMFLは旭タンカーにサステナビリティ・リンク・リースを提供する。サステナビリティ・リンク・リース/ローンは顧客のESG戦略と整合したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定し、ファイナンス条件とSPTsに対する顧客のパフォーマンスを連携させ、SPTsを達成することで、環境面・社会面で持続可能な経済活動、経済成長を支援・促進することを目指すファイナンス商品になる。
 SMFLはポセイドン原則に参画している世界唯一のリース会社。海運事業者向け船舶を対象としたサステナビリティ・リンク・リース/ローンの提供に加えて、環境配慮型船舶のリース事業会社やデジタルトランスフォーメーション(DX)によって内航海運業界の課題解決に取り組む企業への出資を行っている。同社は「これからも海運業界の脱炭素化、DX化への取り組みを支援し、海運業界の持続可能な成長・発展に貢献していく」としている。

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