2023年2月9日無料公開記事内航NEXT

田渕海運に労働時間管理システム導入
アイディア

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 海事産業プラットフォームを展開するアイディアは8日、同社が提供する労働時間管理システム「Aisea Crew」が昨年12月から田渕海運に導入されたと発表した。
 「Aisea Crew」は船員向け打刻アプリと陸上管理者向けウェブシステムの連携により、簡単かつ適切な船員労務管理を実現するサービス。
 昨年4月の船員法改正に伴い船員の労働時間管理対応が課題となっている。その中で、所有する一部内航船への配乗を自社で行う田渕海運はグループ全体で船員を約70人抱えており、海事局が提供するエクセルでの管理が困難であることが想定されたため、幅広い年齢層の船員が簡単に打刻できるシステムを必要としていた。田渕海運は2カ月のトライアルを経て、運用可能との判断に至り全隻に同サービスを導入した。
 導入により、労務管理記録簿は自動作成の上クラウドで自動保管されるため、陸上管理者側の管理工数が大幅に削減。加えて、陸上管理者向けウェブシステムの労務ダッシュボード機能で過重労働の恐れがある船員がアラート一覧で確認できるため、速やかに過労防止措置を取ることが可能となった。
 田渕海運は、今後「Aisea Crew」による労働時間管理を通じて、船員の働き方を推進していくとともに、会社全体でDXを推進していく方針。昨年からは、各部署から担当者が出席しさまざまな業務のデジタル化について検討を行うシステム会議の場を設け、DXを推進する体制を整えた。今後、配乗管理や給与計算等の労務管理業務だけでなく、オーナー船との連携や配船計画など、業務効率化だけでなく企業価値向上につながるDXを目指すとしている。
 アイディアは「Aisea Crew」のほか、船舶運航管理のDXを推進するサービス「Aisea PRO」なども提供している。同社は「田渕海運の目指すDXを実現するために、今後も新機能開発や新技術の研究開発等を通じてサポートしていく」としている。

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