2025年5月13日無料公開記事今治発新技術
《今治発:新技術》
健康・安全・環境寄与の製品開発
潮冷熱、バリシップでクーリングシェルタなどPR
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潮冷熱は、健康・安全・環境に寄与する製品開発に注力しており、熱中症対策用のクーリングシェルタと、制御盤冷却用のエアコンを新たに実用化した。造船業の健康対策や安全面に貢献する製品として、5月のバリシップでPRする。また、グループ会社ウシオマテックスの超難燃性軽量発泡新素材「バリシールドAE」や、販売代理店として取り扱う舶用食品鮮度保持装置「DENBA Marine」も紹介予定だ。
地球温暖化により夏場の気温が上昇し、熱中症患者が増加しており、高温多湿な環境下での作業が行われる造船所でも、熱中症対策が大きな課題となっている。造船所からの強い要請を受け、従来から取り組んでいたクーリングシェルタの開発を進め、今回、可動式の空調スペースとして実用化した。同シェルタは、コンテナサイズの居室を設け、中に空調機やソファーベッドを備えており、体温を下げながら休息をとることができる。可動式で、例えば建造中の船の上でも利用可能だ。船舶向けをはじめ、建築現場など陸上向けの需要も見込んでいる。
もう一つ、新たに製品化したのが、制御盤用のエアコンだ。スクラバーなど船上に搭載する機器類が年々増加する中、特にエンジン室周辺は、機器類の発する熱で高熱になってしまっている。そこで、スクラバーやボイラーなどの発熱しやすい制御盤の冷却を目的に、このエアコンを開発した。過酷な環境でも安定した冷却性能を発揮し、熱暴走を防ぐ。取り付けが容易で、主に既存船向けを想定するが、新造船にも対応可能だ。
バリシップではこのほか、グループ会社のウシオマテックスが製造・販売する超難燃性軽量発泡新素材「バリシールド AE」もPRする。発泡スチロールに難燃処理を施したウシオマテックスのオリジナル製品で、難燃性と、発泡スチロールの持つ高い断熱性・軽量性を併せ持つのが特徴だ。このほど、日本海事協会(NK)から、防火構造材料として難燃性上張材の認証を取得した。これを契機に、需要の掘り起こしを含め、本格的な舶用展開を開始している。
また、潮冷熱は昨年12月から、鮮度保持装置メーカーのDENBAジャパンが開発した舶用食品鮮度保持装置「DENBA Marine」の販売代理店を務めており、同装置もバリシップで紹介する。食材の中の水分子を共振させることで、食材の細胞を活性化する「DENBA技術」が用いられている。細胞の活性化で菌の発生が抑制され、船舶の冷蔵室(チャンバー)へ設置することで、食材の鮮度を保つことができる。革新技術を対象としたNKの認証制度「イノベーションエンドースメント」で製品・ソリューション認証を取得しており、昨年11月末時点で搭載実績は450隻を超えている。
5月22日の出展社プレゼンテーションでは、「バリシールド AE」を紹介する。
新たに製品化した制御盤用エアコン
高い断熱性、軽量性などが特徴の超難燃性軽量発泡新素材「バリシールド AE」
舶用食品鮮度保持装置「DENBA Marine」